日本と韓国の関係はいま、最悪の状態と言える。慰安婦、徴用工問題からレーザー照射、揚げ句に韓国の国会議長発言と、こじれにこじれており、ここまでくると修復は不可能と思われるほどだ。
3月1日は日本の植民地支配に抵抗した1919年の「三・一独立運動」からちょうど100年の節目の年として、文在寅大統領もヤル気満々。2月26日にはさっそく「親日を清算」と公言し、28日にはこの状況に対し、日本の外務省が韓国内のデモなどを警戒して渡航警告を発したほどだ。
「しかもソウルの市議会では、日本製品の使用制限条例案を発案しようとしています。これは、日本の戦犯企業と名指しされた284の会社の製品を、ソウル市とソウル市教育庁が使用を制限するというもの。その理由がまたふるっており、“日本企業の製品を購入すれば我々の税金が日本に流れて行き、戦争準備のための軍備拡張に使われる”。そこまで感情的になっているんです」(日本企業の在韓関係者)
昨今、韓国では日本食がブームになっており、若者の間でもユニクロなどの日本ブランドが根付いていることから、さすがにソウル市民の間では「やりすぎ」の声もあるという。しかし、首都ソウルの市庁舎を見れば、今回の条例も成立するだろうと思わずにはいられない。
「新市庁舎は2012年に完成しましたが、それまでは1926年の日本統治下時代に建てられたものを使用しており、その旧市庁舎は現在、ソウル図書館となっている。ただ、その隣に建てられた新市庁舎は、まるで旧市庁舎を飲み込むような“波”の形をしているんです。つまり、植民地時代の建物に津波が襲い掛かっているようにも見える。日本の感情などまったく意に介していないわけです」(前出・日本企業の在韓関係者)
そのことについては韓国国内でも批判があったのだが、設計者のユ・ゴル氏は「津波のように見えるところこそ醍醐味」と胸を張る。
「完成の前年に日本では東日本大震災が起きていますが、市民はこの新市庁舎を『ツナミ』の愛称で呼んでいます。朴槿恵前大統領は『恨みは1000年たっても消えない』と言い放っていましたが、確かに韓国とは、もはや怨念は消えないという前提で付き合うべきなのかもしれません」(在韓記者)
まずは国ぐるみの過激な反日キャンペーンにより、日本人を巻き込んだ事故が起きないことを祈るばかりだ。
(津田昌平)