料理動画を2万本以上配信し、レシピ動画分野で世界一の実績を持つスマホアプリの「クラシル」。その事業を推進する若きIT社長が、ネットベンチャーの驚くべき錬金術の片鱗を明かしたという。
2月20日放送の「ナカイの窓」(日本テレビ系)には今を時めくカリスマ社長5人が出演。いきなりステーキの一瀬邦夫氏やSHOWROOMの前田裕二氏といった有名人が登場するなか、最年少の26歳で目立っていたdelyの堀江裕介社長が「クラシル」の成長について語った。
いまや1500万ダウンロードと人気アプリの「クラシル」だが、その域に達するために堀江氏は広告費をじゃぶじゃぶと投入。「当時は100万円くらいしか会社に貯金がなくてつぶれそうだったんです」という状況で、10億円分にのぼる大量の広告を代理店に発注したというのである。
「これだけだと単なる向こう見ずな若者のようですが、堀江氏はソフトバンクの孫正義社長にもその才覚を見込まれた若き経営者。続々と出資が集まり、その10億円も無事に支払いできたのです。そうやって『3カ月ごとくらいにお金なくなっちゃって使う』(堀江氏)というサイクルを続けているうちに、いまの成功に繋がったと語っていました」(IT系ライター)
delyではクラシルを広めるために広告費を使い続け、17年には30億円を費やしたという。その状況で堀江氏本人は胃をキリキリさせつつも、死なないギリギリまでリスクを取れば勝てるという意志で、背伸びし続けてきたというのだ。
「いまや大手の新興IT企業は数十億〜数百億円のキャッシュフローを持っており、新たなベンチャー企業への投資はますます盛んになっています。有望なビジネスにはすぐに数億円単位の投資が集まり、いまは起業を夢見る若者にとってはチャンスがごろごろ転がっている時代ですね。ただ肝心の若者のほうに、大きなビジョンで新しい事業を切り開こうという意志が乏しいのも現実。だからこそ堀江氏のような“出る杭”に注目が集まり、お金がお金を呼ぶ構図となっているのでしょう」(同・IT系ライター)
その堀江氏はいま、ジェイミー名義でユーチューバーとしても活動している。大人の社会人には理解しがたいそんな行動も、若者たちには頼もしく見えているのかもしれない。