50歳未満は「負債が貯蓄を超過」なのに…総務省が発表「平均貯蓄額1900万円」の現実度

 友人や会社の同僚がいくらくらい貯蓄しているのか、気になる人は多いだろう。

 総務省・統計局の「家計調査報告」によると、2人以上の世帯における2023年平均貯蓄現在高(平均値)は1904万円で、前年に比べ3万円、0.2%の増加だった。対前年の増加は5年連続であり、比較可能な2002年以降で最多となった。また、貯蓄保有世帯の「中央値」は1107万円となっている。

 中央値というのは、貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の少ない方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高のこと。莫大な貯蓄を有する層が含まれないために、より実態に近いとされるが、一般的な平均値の1904万円より下がるとはいえ、それでも「大台」に届いているようだ。この数字を見て「我が家にこんな貯金はない!」と思わず声を上げてしまった人も多かったのではないか。

 もっとも、貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、平均値(1904万円)を下回る世帯が約3分の2(67.4%)を占めており、全体の10%は100万円未満だという。

「一般的に純貯蓄額は年齢を重ねるごとに増え、50~60代では1000~2000万円になります。この年代は若いころに負った住宅ローンなどを返済し、老後に向けて貯蓄を増やせる世代です。逆に50歳未満の世帯ではまだまだ負債が超過しているケースが多いのが実態です」(マネーライター)

 貯蓄額の多寡に一喜一憂などしたくないものだが…。

(ケン高田)

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