今度は「殺人アリ」ショックの大阪万博に「何を隠したいのか」批判が出た見学ツアー厳戒態勢

 来年4月に開幕する予定の大阪・関西万博(大阪市・夢洲)の会場シンボルとなる木造巨大屋根「リング」などを見学できるツアーが、6月30日から始まった。

 ツアーは有料の一般向けと無料の中高生向けが実施され、10月まで毎月1回ほど開催される予定。万博のシンボルとなる高さ12メートルの「大屋根リング」に上れるほか、建設中のパビリオンなどを車窓から見ることができる。

 こうした取り組みで期待感を高めたい万博協会だが、一方で新たな問題も発生。夢洲でヒアリ550匹が発見されたというのだ。

「6月25日、夢洲のコンテナターミナルで調査会社がヒアリの調査をしていたところ、ヒアリ約50匹を発見。その後、環境省が調査したところ、同じエリアでさらに約500匹見つかったという。関係者は頭を抱えていますよ」(夕刊紙記者)

 特定外来生物のヒアリは攻撃的で刺されると激しい痛みが生じ、体質によってはアナフィラキシーショックを起こす場合も。過去には刺された人が死亡した例もあり「殺人アリ」とも呼ばれている。

「2017年に神戸港で国内初確認され、大阪府内でヒアリが発見されたのは13例目。今回発見されたコンテナターミナルは万博会場から道路を挟んだ位置にあり、環境省によれば全て駆除して夢洲に定着していないとしていますが、不安は残ります」(同)

 大阪・関西万博を巡っては、海外パビリオンの建設の遅れに建設費用の膨張、メタンガスの発生など不安要素が続出している。

「見学ツアーにしても写真を撮影していい場所は、リングをバックにした1カ所のみ。しかもカメラやスマホをスタッフに渡しての撮影で、ツアー客自身が撮影することは禁止。SNS上では『何を隠したいのか?』など厳しい声も出ています」(同)

 なかなか前途は多難のようだ。

(鈴木十朗)

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