「そこまで考えてねえんじゃねえか」玉川徹氏が二重価格で姫路市長を痛烈批判

 インバウンドの増加で全国各地で「オーバーツーリズム」が社会問題化する中、注目を集めたのは世界遺産で国宝の姫路城。姫路市の清元秀泰市長は6月16日の国際会議で「7ドルで入れる世界遺産は姫路城だけだ」「外国の人には30ドル払っていただきたい」と、“二重価格”を導入するプランを明かし、物議を醸すこととなった。

 この話題を取り上げたのは6月27日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」。番組では、清元市長の「儲けようというのではない。世界遺産を維持する経費を算出するため」というコメントを紹介し、姫路城の年間維持費(2022年度)が約12億7000万円にのぼっていると解説した。

 元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏は「観光客って輸出と一緒なんですよ」と持論を展開し、日本製品を外国に高く売ることと高い入場料を取ることは変わらないと主張。「後は理屈づけだけの問題で…」と前置きしてこう続けた。

「日本人はみな税金を払う。その税金は、国税が一部自治体に流れる。日本人全員が姫路城維持するための税金を払っている。だけど、外国人は1円も払っていませんよね。だったらその分、払ってくださいって論理さえつけばいいんじゃないかなと僕は思うんですよ」

 理由づけさえあれば二重価格も良しとする意見に、番組MCの羽鳥慎一アナウンサーは、市長の発言に触れて、「市長はどうなんだろう…。番組でこれだけ理由を取り出してますけど、そこまで触れていればいいですけど…これだと日本人も一緒じゃないかと」と困惑気味に話していると、玉川氏はヒートアップして「そこまでちゃんと考えてねえんじゃねえかって思うんですよ」と痛烈批判した。

「まるで清元市長が“税の論理”をまったく考えていないかのような発言に、羽鳥アナは『ごめんなさい、他でもしかしたら言ってるかもしれない。ごめんなさい』とフォローし、ゲスト解説者の鳥海高太朗さんも、あくまで現時点で値上げは検討段階だと説明していました。鳥海さんも言っていましたが、観光客向けの“二重価格”の議論を始めているのは主要先進国7カ国で日本だけ。ハワイでは地元在住者向けに『納税者割引』を行っている観光スポットがあることから、姫路城の入城料は一律値上げで、財源を確保し、地元市民や国民向けの割引料金を設定するのが現実的な解決策かもしれません」(メディア誌ライター)

 姫路城の二重価格導入について、大阪府の吉村洋文知事は「大阪城もそれやったらいい」と後押ししていたが、2025年の大阪・関西万博を前に、議論はますます過熱しそうだ。

ライフ