【ドライバー不足深刻】バス業界関係者が語った“修学旅行貸し切り”は「受けたい仕事ではない」ホンネ

 現在は全国的に深刻なバスの運転手不足。各地で路線バス、高速バスの縮小が相次いでいるが、実はそれ以上に深刻なのが修学旅行用のバス不足。5月中旬には近畿日本ツーリストが請け負った都内の公立中学校の修学旅行用のバスが、直前になって運転手不足が原因でキャンセルされたことが明らかに。

 SNSで情報で拡散されると各メディアは一斉にこの件を報じ、同社も事実だと認めている。結局、代替のバスも確保できず、初日は電車での移動になったようだが、バス会社でシフト調整などを担当する現役社員Hさんは、「これは氷山の一角に過ぎない」と語る。

「5~6月は小学校の遠足や中学・高校の修学旅行シーズンです。弊社でも用意できる運行本数を大幅に上回る依頼がありました。運転手にはお願いして休日出勤などで対応していますが、それでも20校以上の依頼を断らざるを得ませんでした」(Hさん)

 5月10日~17日には富山地方鉄道が修学旅行用に運転手を確保するため、同期間の高速バス60便を運休。なかなか思い切った決断だが、バス会社にとって修学旅行の貸し切りバスは、そこまで実入りのいい仕事ではないという。

「運転手不足の状況では受けたい仕事ではありません。各校の場所やプランによって運行ルートが異なるので下見は必須で、それだけで大きな負担です。しかも、旅行会社経由の依頼だと取り分も僅か。バス酔いしたお子さんの保護者から苦情が入ることもあり、そこも大きなストレスになっています」(Hさん)

 この会社では運転手を常時募集しており、経験者でなくても大型バスの運行に必要な「大型二種免許」の取得を会社負担でサポートする制度を用意しているが、応募者はほとんどいないとか。

「どのバス会社も似たような状況です。国や自治体の補助金は少なく、賃金と業務の責任の大きさが見合っていません。そもそも修学旅行のバス以前に路線バスや高速バスの運行本数の維持すらままならないので…」(Hさん)

 もはや修学旅行の移動手段からバスが消える日もそう遠いことではないのもしれない。

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