目玉がない!大阪・関西万博のドッチラケ実態(2)大阪商人がサプリをPR

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる国際イベントで一番の目玉になるのが「空飛ぶクルマ」だろう。「スマートモビリティ万博」と題したショーケースで会場内外のポート間を運航する予定だ。ところが、実物は“理想”とはかけ離れた代物のようで、

「ドローンにカテゴリーされる技術でしょう。定義上、道路を走行する機能が付いてなくてもよく、世の中に認知してもらうために便宜上“クルマ”という名称にしているだけ。次世代のモビリティとして期待されていますが、残念ながら、一部の運航業者が万博で客を乗せないことを決定しています。すでに、スロバキアの企業が空陸両用車の開発に成功しているだけに、果たして、来年出品される“有人ドローン”が真新しい技術になるのかどうか‥‥」(桜田教授)

 ところ変わって、産学官が一体となって出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」には“大阪商人”のニオイがプンプン漂う。

「機能性表示食品のPRに利用しようとしているのが見え見えです。『紅麹サプリ』を巡る問題で小林製薬は辞退しましたが、機能性表示食品を製造する多数のメーカー企業が協賛していますからね。PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)という健康情報を測定するシステムで、25年後の姿をアバターとして形成。そこで未来に起こりうる健康不安を診断して、協賛企業のサプリメントを無料で配布してPRする算段でしょう。せめて、“第二の紅麹騒動”とならないことを祈るのみです」(桜田教授)

 同企画に別の視点で物申すのは日本共産党所属の山中智子大阪市会議員である。

「未来よりも先に現在の大阪の医療体制を見直すべきです。コロナ感染による死亡者数は人口比で大阪が一番多い。感染拡大でパンクした保健所の再整備を含め、リソースを割くべきです。ちなみに、行政の上層部にも『25年後の自分なんか僕も見たくない』という声がチラホラ上がるほどの不興ぶりですよ」

 工期の遅れや撤退が相次ぐ海外パビリオンにも巨大な利権が見え隠れしていた。

「『MGMリゾーツ・インターナショナル』がアメリカ館のスポンサーについたのはあまりにも露骨でした。30年秋頃に、夢洲に建設を予定しているカジノを含む統合型リゾートの中心となる事業会社ですからね。阪神高速の『淀川左岸線』の延伸など万博を隠れ蓑にして、夢洲周辺のインフラ整備を進めてきましたが、いよいよ隠さなくなったことに驚きです。おそらく、万博をIRの機運醸成に利用するつもりなのでしょう」(寺本氏)

 もはや、崇高なテーマがバカバカしく思えてしまう。

(つづく)

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