クルド移民問題でイメージ悪化か 川口市が「住みたい街ランキング」圏外に転落

 東京からほど近く、ベッドタウンとして人気の埼玉県川口市。しかし、最近はその人気にも陰りが見えはじめた。

 SUMOが毎年発表する「住みたい街(駅)ランキング」の首都圏版によると、川口は21年34位、22年44位、23年42位だったが、この春発表の24年版ランキングではベスト50から転落。また、LIFULL HOME’Sの「買って住みたい街ランキング」24年首都圏版では川口が19位→21位、西川口が42位→70位。「借りて住みたい街ランキング」でも川口19位→28位、西川口10位→14位といずれも順位を落としていることがわかった。

 川口はJR京浜東北線で埼玉県に入って最初の駅、西川口も2つ目の駅で、東京駅までは34~36分。新宿駅にも赤羽で乗り換えれば約30分と通勤には大変便利だ。にもかかわず、距離的に10㎞以上北に位置し、通勤時間がさらにかかる大宮のほうが各ランキングで2~4位と上位に入っている。この差は何なのか?

「分譲と賃貸いずれの相場も大宮のほうが安いこともありますが、ランキングを下げた理由として考えられるのは治安の問題です。川口はクルド人の大きなコミュニティがあり、昨年から今年にかけて複数の事件が報じられています。子供のいる家庭や女性にとってはそれだけで敬遠する理由になります」(業界誌記者)

 支援団体「在日クルド人と共に」のホームページによると、川口や隣接する蕨市で暮らすクルド人は推定3000人。しかし、昨年7月には地域の中核医療施設である川口市立医療センターの前に約100人のクルド人グループが集まり、深夜の緊急搬送の受け入れがストップするというトラブルがあった。機動隊が出動して対応に当たったが公務執行妨害による逮捕者も出ている。

 さらに3月には、女子中学生への不同意性交などの容疑で移民2世のクルド人男性が逮捕。他にも騒音やゴミ出しのルールをめぐる住民との摩擦もたびたび報じられている。

「クルド人の大半は善良な市民とはいえ、メディアの報道によって街のイメージが悪化したのも事実です。ただ、川口には約4万人の外国人が住んでおり、数では中国人やベトナム人、フィリピン人のほうがクルド人を上回っています。国際色豊かな街で、そこを魅力と捉える人も多いんですけどね」(同)

 大型商業施設も多く、郊外と違って車がなくても生活に困らない。通勤・通学にも便利で住みやすい街であることには変わらないとは思うが……。

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