今年2月、「頭をポンポン」など「99のセクハラ」が認定された岐阜・岐南町長。「頑張っている子に頭をなでた」と反論するも、結局は辞任に追い込まれるハメに。このニュースに「ひょっとしたら自分も‥‥」と我が身を振り返った諸兄は多いハズ。そこで本誌は、コレやっちゃダメな「昭和しぐさ」を大調査。不適切オヤジがコンプラ時代に生き残る術を大提案する!
「挨拶とスカートは短い方がいいといいますが‥‥」
「女は子供を産んで初めて女になる」
「女性のDNAの中に常に虐げられた歴史がある」
これらはすべて実際に地方自治体の首長の口から発せられた不適切発言だ。言うまでもなく、後にすべて撤回・謝罪に追い込まれている。ここまでいかずともいつまでも自分本位な「昭和オヤジ気質」を改めずにいると、セクハラやパワハラで訴えられて最悪、仕事を失うこともあると肝に銘ずべきだろう。
そう言われてみると、不用意なひと言で、周囲はドン引き、室内ドン冷え、冷たい風がピュー。「ん? オレ、何かヘンなこと言った?」なんて事態に身に覚えのある諸兄は少なくないハズ。まずは、ページ下部の「昭和しぐさ」チェックをお試しあれ!
早くも、気分がソワソワしてきた‥‥と落ち着かない中高年のお助けマンは「大人力検定」(文春ネスコ)「失礼な一言」(新潮新書)など、大人のコミュニケーションに関する多くの著書を持つコラムニスト・石原壮一郎氏だ。
「岐阜のセクハラ町長の場合は、権力持ってはしゃいじゃったという印象です。セクハラって『この人にならやっても許される』と思ってしまうところが危険。『いちばん偉いオレに町役場の人間はひれ伏すだろう』と勘違いしてしまったわけです。我々、令和の中高年は『これぐらいなら許してもらえるだろう』とハードルを低く見積もってしまう。『そう思っているのは自分だけ』と胸に刻むべき」
会話のとっかかりにと、とかく外見から話題に入ったりするもの。しかし、石原氏はそこに落とし穴があるという。
「おじさんは違う世代の人との会話って何を話していいかわからない。『美人だね』とか、まず見た目から入っていく。そうじゃない人にとっては『あの人ばっかり誉められて』と不愉快そのもの。一歩立ち止まる慎重さが求められていると思います」
4月は新たな出会いが増すだけに、ピンチが潜んでいるものと認識すべし。
「特に昭和おじさんが異性を誉める時はスケベな視線が漂ってくる。それをコミュニケーションとかスキンシップと言い張るのは『言われた側が大目に見てくれたから』『逆らうと面倒くさかったから』。『昔はこれくらいでも怒られなかったのに』という気持ちを抑えるのに苦労すると思いますが‥‥」(石原氏)
まずはこの際、外見を話題にするのはやめにしよう。それだけで挨拶代わりに「今日はきれいだねー。さては、昨日いいことあった?」などド真ん中のセクハラ言語が日常茶飯事だった、昭和オヤジにとって大きな進歩なのだ。
(つづく)
【令和時代はお呼びでない!「昭和しぐさ」チェック】
□残業中の部下に「調子はどーだ?」とモミモミ肩揉み
□色つや話に「さては、コレかい?」と小指を立てる
□上から下まで全身を眺め、「安産型だね」
□手柄を上げた部下には「よくやった!」と頭をナデナデ
□「いいヨメになれるよ」と目を細めてお酌を要求
□寿退社に「もしかして、デキ婚?」とお腹をなでるポーズ
□「俺ってスベスベ」とズボンの裾をまくり上げ
□ペロっと指を舐め、ページをめくる
□水着美女を見かけたら「コマネチ」ポーズ
□嫌いな上司は「えんがちょ」と指でおまじない
□隙あり部下に後ろから「カンチョー!」
□歓談中の間を「ごめんなさいよ~」と手刀ですり抜け
□「ガビーン」「ガチョーン」「ナハッ、ナハッ」等の一発ギャグ
□くしゃみの後は「チキショーメ」で締める
□気に入らない発言には、バキューンと「死刑ポーズ」
□ビックリした時は片手を挙げて「シェー」のポーズ
□「かわいいだろ~」自慢の息子・娘の写真は部下と共有
□ナヨナヨした男には「あいつ、コレか?」と右手甲を左頰に