「松屋」新発売「ポーランド風ハンバーグ」は“ニ匹目のシュクメルリ鍋定食”になれるか

 牛丼チェーン「松屋」は、ポーランド大使館からオファーを受けて共同開発した「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」を4月23日から発売する。「シュクメルリ鍋定食」で好評を博した“世界の味シリーズ”の第9弾となるが、この路線はそろそろ潮時との指摘もある。

「ミエロニィハンバーグは『ポーランドの食文化を日本で広めたい』とポーランド大使館から直々にオファーがあり、大使館職員と打ち合わせを重ねて完成したといいます。牛・豚・鶏3種類の肉を使用した濃厚ソースが特徴で、ヨーグルトの爽やかさやオールスパイスとカレー粉によるスパイス感、そして隠し味に入れた醤油が日本人の口に合う仕上がりになっているとか。同メニューは2月に地域限定でテスト販売され、目標の1.5倍を売り上げたことで、ジョージアのシュクメルリ鍋に続くヒットが期待されています」(フードライター)

 松屋では東京オリンピックの開催をきっかけに2020年から世界の料理を紹介する期間限定メニューをスタートさせた。中でもジョージア料理であるシュクメルリは投票で決める復刻メニューの1位を獲得し、21年と24年に再販されるほどの人気で、24年に販売した際には4週間で90万食を売り上げる異例の大ヒットを記録している。その影響もあって、ポーランドの他リトアニアやオーストリア大使館からもオファーが届いているという。

「世界の味シリーズは松屋の人気企画になりましたが、《そろそろ飽きてきた》といった声も出はじめています。世界の料理を紹介する企画は過去にも様々なメーカーなどがおこなってきましたが、だいたいグダグダになって終わってしまうんですよね。というのも、そもそもあまり知られていなかった世界の料理は、日本人の舌に合わないからメジャーになっていないわけで。時にはシュクメルリのような大ヒット商品が生まれることもありますが、第2、第3のヒットがなかなか続かないことが多いのです。世界の味シリーズは商品開発に手間がかかり、商品価格も高めになりがちなので、もうちょっと商品を出すペース配分なども考える時期に来ているかもしれません」(飲食店コンサルタント)

 世界の味シリーズは第何弾まで続くのだろうか。

(小林洋三)

ライフ