回転寿司チェーン大手の「無添くら寿司」が、3月1日からハンバーガーの販売をスタートさせる。
“寿司屋が本気で作ったハンバーガー”とのコンセプトで登場するのは、その名も「KURABURGER」。天然魚100%を具材としたフィッシュパテと、合挽き肉とケチャップを混ぜたミートパテの2種類から選ぶことができ、いずれも税込み270円。バンズには黒酢と米粉が使用されているという。
これまでにも酢飯とカレーのルウを合わせた「シャリカレー」や、本格的に出汁にこだわったラーメンメニューの充実など、寿司以外の分野でも精力的な展開を見せてきたくら寿司だが、今回のハンバーガー販売という新たな挑戦は、世間からどのように受け止められているのだろうか。
「ドーナツやフライドチキン、本格的なスイーツなどを続々と手がけ、コンビニエンスストア業界並みに仕掛けるのがくら寿司の姿勢。カレーやラーメン、ハンバーガーの販売により、ファミリー層からの支持はますます高まるでしょうが、一方で寿司を食べに来る“寿司好き”からは『ネタの品質も上げてほしい』『寿司屋なら寿司にこだわって』とのコメントや、『寿司屋に行ってカレーやラーメンの匂いがしてくるのは…』という指摘もネット上には散見されます。ただ、賛否両論ありながらも、ラーメン店やカレーチェーンが寿司を出すことは現実的ではない為、くら寿司のように寿司を基軸に様々なメニューを展開できる点は飲食業界ではかなりの強み。この流れは今後も加速するかもしれませんね」(業界紙記者)
くら寿司の“バーガー展開”は、ネタにはならないが食べられる魚の部位を有効利用して「食品ロス」を減らす意図もあるという。低価格を維持しながら、競争激化する回転寿司業界で生き残っていく背景には、様々な企業努力が見え隠れするということだろう。
(木村慎吾)