大阪府の吉村洋文知事がイベント会場で「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)の番組名と元同局社員の玉川徹氏の名を挙げて「万博出禁」を通告したのは3月23日のこと。吉村知事は「『モーニングショー』の玉川徹。今、批判するのはいいけど、入れさせんとこうと思って」「『入れさせてくれ』『見たい』といっても、もう、モーニングショーは禁止。玉川徹は禁止」と“出禁”を宣告し、この動画が拡散されるや各界から批判の的となった。
吉村知事は発言を認めたものの、撤回や謝罪はしていない。当の玉川徹氏も騒動については沈黙を貫いているが、4月3日放送の同番組での発言が、視聴者の間では《吉村知事への当てつけにしか聞こえない》《これが出禁通告へのアンサーか》《川勝を吉村に置き換えればハマる》などとリアクションが寄せられている。
この日、取り上げたのは静岡県・川勝平太知事の不適切発言。コメントを求められた玉川氏は、問題となった川勝知事の訓示が、事前に用意された文章ではなかったことに触れつつも、「政治家にとって言葉は命だと思うんですよ」と切り出し、こう続けた。
「本人がどういうつもりで喋ったかにはかかわらず、どう伝わったかが全てだと思うんですね。多くの人が今回の発言に対して、『差別だ』と感じたのであれば、そう感じた人に対しては謝罪するしかないと思うんですね」
川勝知事が「誤解」を主張していたことについても、「ポロッと出てしまう部分にその人の本音の部分が出ちゃう」と述べた玉川氏。共演者から「書いたものを読むよりは面白いと思う。伝わると思う。だからこそ気を付けた方がいい」という意見が出ると、玉川氏は「政治家は権力を持っていますからね。政治家になるにあたっては、言葉をもって選ばれてきているわけですから、その重みっていうのはやっぱり一般の人とは違うものがあると思いますよ」と主張し、「少なくとも謝罪をするっていうことは必要ですよ」と締めくくった。
「吉村氏と川勝氏が同じ知事の要職に就いていることもあって、玉川氏が言う“政治家の権力”が大阪万博への出禁措置と置き換えると、今回の騒動と符号します。今回、川勝知事が辞意を表明したことで、『吉村は辞めないのか?』といった声も聞かれますし、立憲民主党の米山隆一衆院議員も、自身のX(旧Twitter)で吉村氏の発言を『権力濫用的』と批判し、『公式に撤回・謝罪が必要』とコメントしています。『政治家は言葉が命』という玉川氏の発言は、『ジョーク』『冗談の範囲』と言い訳に終始する維新の会の議員に釘を刺したようにも受け取れます」(メディア誌ライター)
玉川氏には「出禁通告」にもめげずに大阪・関西万博の取材を続けてほしいところだ。