韓国サッカー協会(KFA)が2月16日、ユルゲン・クリンスマン監督を解任した。同監督はKFAと2年半(26年W杯北中米大会まで)の契約期間が残っていた。
「KFAがクビを決めたわけですから、当然、あと2年半の給料(違約金)はKFAがクリンスマン側に支払うことになります」(サッカー担当記者)
同監督が連れてきたコーチ陣を含めると総額100億ウォン(約11億円)を超える「違約金」。これについてKFAチョン・モンギュ会長は一部自己資金で賄うことも明かしている。
日本でもアジア・カップにおける森保一監督の采配にブーイングが起こり「解任論」まで噴き出したが、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は早々に「(森保監督の解任は)一切、考えていない」と否定していた。
「日本サッカー史上初となる2期目に入った森保監督ですが、年俸(基本給)はクリンスマン監督の半分。次のW杯まで解任はないという契約になっており、JFAとの相互関係は盤石です。日本代表の成績が伴わずに森保監督が辞意を表明しない限り、即解任という流れにはならない。仮に解任になった場合でも11億円などという驚愕の違約金契約は結ばれていません。いずれにせよ、よっぽどのことがない限りJFAが森保監督を手放すことはありませんよ」(夕刊紙サッカー記者)
ちなみにクリンスマン監督は、過去に何度も日本代表監督候補にリストアップされ「実際、JFAも獲得調査に乗り出した」(前出・サッカー担当記者)というが、最終的にJFAがクリスマン監督にオファーしなかったのは、監督としての在任期間の短さが引っ掛かったからだ。
「米国代表(2011年~16年)は5年半の長期政権でしたが、直近の19年スペインリーグのヘルタでの監督はわずか3カ月で解任されている。JFAは今回の解任を見て、手を付けなくてよかったと安堵しているに違いありません」(JFA関係者)
韓国代表はアジア・カップ期間中にエースF Wのソン・フンミンと、パリ・サンジェルマンに在籍するMFイ・ガンインとの“衝突“が明るみに。そしてクリンスマン監督のクビと、まさに踏んだり蹴ったりの状況だ。
(小田龍司)