暖冬で氷像崩壊…「冬まつり」続々中止の連鎖で「来年も心配」地元悲鳴!

 全国的に暖かい日が続く今シーズンの冬。2月中旬現在、北陸や甲信越、東北では、平野部のほとんどの地域で積雪が確認されておらず、このまま前倒しで春が訪れそうな勢いだ。

 山間部でも少雪に悩まされ、「長岡市営スキー場」(新潟)や「七戸町営スキー場」(青森)のようにオープンできずに今季の営業を断念したスキー場もあれば、雪や氷を使った冬ならではイベントも各地で中止が続出している。

 東北では有数の規模を誇る「青森冬まつり」も雪不足を理由に開催できない事態に。70年近い歴史を持つ「南魚沼市雪まつり」(新潟)は、資金難や人手不足も重なってイベント自体の廃止を観光協会のウェブサイトで発表した。

 また、「上杉雪灯篭まつり」(山形)や「犬っこまつり」(秋田)のように、なんとか開催にこぎつけても規模を縮小せざるを得ないケースも目立つ。本州に比べて積雪量が多かった北海道ですら暖冬の影響が避けられず、1月27日から2月25日まで約1カ月開催するはずだった「支笏湖氷濤まつり」も氷像融解などを理由に13日で終了。骨組みがむき出しとなり、高温で修復も困難と判断されたためだ。

「夏場のイベントも台風などの影響を受ける場合がありますが、冬季の雪国のイベントのほうが気象リスクは圧倒的に高い。中止となればお金を落としてくれる観光客が来ませんし、地元にとっては大きな痛手です。各地の自治体や観光協会は頭を抱えていますよ」(イベント会社代表)

 しかも、数十年前と比べると冬季の平均気温は地球規模で上昇しており、来年以降も同様の理由で冬季のイベントが中止や規模縮小に追い込まれる可能性は高いという。

「『さっぽろ雪まつり』ですら20年には雪不足で一部の会場が縮小され、気温上昇で雪像が崩壊した年もあります。今年238万人を動員した日本最大の冬場のイベントも、そういったリスクとは無縁じゃないんです」(前出・イベント会社代表)

 暖冬で雪が少なければ地元にとっても楽と思ったが、そんな簡単な話ではないようだ。

※写真は崩壊した「支笏湖氷濤まつり」の作品

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