チューナーレスTVに対抗!? ネット利用者からも「受信料」を徴収したいNHKの「奥の手」

 NHKは1月31日、総務省のネット事業について話し合う会合(日本放送協会のインターネット活用業務の競争評価に関する準備会合)において、インターネットサービスの必須業務化が決まった場合の基本方針を説明した。

「NHKは『放送と同じ効用、価値をインターネットで届ける以上、受益・負担もそれぞれ放送と変わらない』とし、必須業務化する以上はネット利用者も受信契約の対象として『相応の費用負担(受信料)をお願いすることになる』との考えを示しました。NHKプラスのような動画配信だけでなく、現在は無料ら見られるNHK NEWS WEBなどの報道サイト等も対象になります」(全国紙記者)

 テレビの受信料を支払っている人は追加負担なく利用できるというが、問題はこれまで受信料を払っていなかった人に、NHKがどのように「ネット課金」を行っていくか、である。もちろんNHKとしては、「テレビを所有していない人や、チューナーレステレビユーザーからも金を取るのか」という批判はなるべく避けたいところ。なので、その説明は役所言葉風な非常に分かりにくいものとなっている。

「説明には『いわゆるペイウォールのような、料金を支払う事で初めて利用できるかたちとは異なる方法で実施する想定』とあり、会員登録した人だけ利用できるよくある新聞社のネットサービスのような『前払い方式』ではないようです。であれば、サービスを利用した人から徴収する『後払い』かと思えば、説明によると『視聴する意思が外形的に明らかになるような何らかの積極的な行為』が費用発生の要件とあって、これが何を意味するのかは不明。肝心な部分については先送りしているのです」(同)

 ただし、“タダ見”防止の方法として「CASメッセージを検討」とあるので、現在NHK-BSの画面左下に表示されるあの「受信機設置のご連絡のお願い」のようなメッセージをネットでも採用するのだろうか。NEWS WEBなど、現在はニュース検索すれば普通に見られるNHK配信のニュースが、ゆくゆくは「これより先を見たい方は受信料支払のご連絡を」などという無粋なメッセージによりブロックされるのかもしれない。

 ただその方式ならば、ネットでNHKのサービスを利用しなければ受信料を支払わなくてもいいわけで、ネットでも広く徴収したいNHKは、次はどんな奥の手を出してくるのだろうか。

(猫間滋)

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