秋の味覚サンマが大不漁に陥っている。サンマの水揚げ日本一を誇る北海道・根室の花咲港では、昨年は120トンだった初水揚げが今年は17トンと約1割程度まで落ち、豊洲市場での9月第1週のサンマ入荷量は、前年同期に比べ8割少ないという惨憺たる状況に陥っている。
「東京・目黒で行われる恒例の『目黒のさんま祭り』では、毎年、岩手県宮古市からサンマを無料で提供されているのですが、9月8日に開催された今年は、祭りで必要な7000匹が用意できなかったため、24回目にして初めて冷凍サンマが振る舞われる事態に。また、岩手・大船渡市で8月25日に開かれた『初さんま・うに・アワビ・帆立・かき・ホヤ・わかめ祭』でも初サンマが用意できず、こちらも冷凍サンマで代用することになったそうです」(社会部記者)
全国各地で行われるサンマ祭りが冷凍ものに差し替えられていることについて、ネット上では《そこまでして祭りを開催する必要があるのか》《冷凍サンマだってたっぷり在庫があるというわけでもないだろうに》《絶滅が危惧される声とのギャップがあり過ぎる》など、疑問を呈する消費者もいた。
「サンマの不漁は海水温の変化や中国・台湾の乱獲が主因とされ、また日本でもこれに対抗し、今年からサンマ漁の通年操業が解禁され、夏前に成長前のサンマを早獲りしてしまった。そのため、ここ50年で最低と言われるほどの不漁に陥ったのです。庶民の味として親しまれているサンマですが、例年のように100円で買うのは難しい状況になっており、外食チェーンではサンマ定食の販売を見合わせるところも出てきました。来年以降、さらなる不漁が続けば一匹1000円以上の高級魚になる可能性も十分に考えられます」(経済評論家)
何か色々と違和感がある。
(小林洋三)