「日中経済協会」財界トップが大挙訪中も中国は塩対応、しかも帰国後にまさかの暴挙!

 日本経済界の重鎮らが中国を訪れる日中経済協会の訪中が、1月23~26日の日程を終えて帰国したが、報道された成果は中身に乏しく「子供の使いか」と突っ込まれる始末だ。

「協会による訪中は1975年からほぼ毎年行われていましたが、19年秋に訪れたのを最後にコロナで途絶えており、今回は4年ぶり。訪中団は経団連の十倉雅和会長、日本商工会議所の小林健会頭が最高顧問を務め、進藤孝生・日本製鉄会長が団長という錚々たるメンツで、180人もの団員を引き連れて行われました。ところがアステラス製薬の駐在員が23年10月に逮捕され、企業が懸念を抱いている反スパイ法に関しては、王文涛商務相から『日本でも同様の問題が起きている』といった意味不明の回答をされるありさまでした」(経済ジャーナリスト)

 続く李強首相との会談でも、今回の訪中で伝えるべき主要テーマであった日本の水産物の輸入禁止撤廃、日本人の短期滞在のビザ免除がコロナ以来4年近く停止になっている件についても、要求だけは伝えることはできたものの具体的対応についてはゼロ回答というのだから、「何のために行ったんだ」とも言いたくなる。

「もっとも、李強首相は習近平に次ぐナンバー2といっても、今は行政より党の方が圧倒的に力が強いので、ある意味、李強首相自身も『子供の使い』のようなもの。抗議の意を伝えたことに意義はありますが、習近平の首を縦に振らせない限りは大きな成果は得られません」(同)

 そして訪中団が日程を終えて帰国した翌27日には、中国海警局の船2隻が尖閣沖の領海に侵入。1月11日以来、今年に入って2度目のことだったが、後ろ足で砂をかけるような行為をするあたり、なんとも厄介な国であることに変わりはないのだった。

(猫間滋)

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