プーチン大統領との会談を終え、ロシアから帰国した北朝鮮の崔善姫外相。翌20日、プーチン氏が崔氏との会談の中で、「早期に訪朝する用意がある」との見解を示していたことを朝鮮中央通信が伝えた。さらに23日にロシアのタス通信が、プーチン氏の訪朝は3月17日に予定されているロシア大統領選の後になるとの、ペスコフ報道官の発言を報道。プーチン氏の3月訪朝が現実味を増してきた。
プーチン氏は昨年9月、ロシア極東を訪れた金正恩総書記と首脳会談を行ったが、訪朝となれば2000年7月以来、3年8ヵ月ぶりとなる。北朝鮮とロシアとの関係に詳しい全国紙国際部記者が解説する。
「崔外相が訪ロを終え帰国した際に、通訳が持っていた書類に『
北朝鮮の場合は、最高指導者である正恩氏の鶴の一声で、白頭の血統としてジュエ氏の後継はすんなり決まるだろう。ただし、ロシアでは現状、大統領は国民の直接選挙によって選ばれ、
「これまでソ連の独裁者はソ連共産党という公的な枠組みの中で、その立場を誇示してきたわけですが、プーチン氏の場合はすべてが個人の権力。通常であれば、後継候補は後輩のメドベージェフ氏ら共産党の枠の中から挙がりそうですが、プーチン氏が娘に白羽の矢を立てるということも十分考えられるでしょう。そうなれば、帝政以来、初めて世襲が実現することになりますからね。今後のマリア氏の動向に注目が集まっています」(同)
ただ、プーチン氏はマリア氏の母と離婚後、元新体操選手の愛人との間に男児をもうけたと伝えられる。また、仮にマリア氏が「プーチンの娘」として政界に進出しても、はたしてロシア社会が女性大統領を受け入れるかどうかは未知数だ。
国も立場も違うが、いずれも娘を持ち後継者問題を抱えているという点では、プーチン氏と正恩氏には共通点があるというわけだが…。むろん、3月に行われるとされる会談で家族の話題が出るかどうかはわからない。娘を持つ独裁者がどんな会話をするのか、その中身が大いに気になるところだ。
(灯倫太郎)