今冬に頻発中「ゲリラ豪雪」の恐怖!24時間で70センチ積もり、自宅玄関が雪で埋まる

 近年、夏場にはほぼ毎年のように全国各地で被害が報告されているゲリラ豪雨。しかし、これは夏場に限った話ではない。冬場にも雪国では短期間に大量の雪を局地的に降らせる「ゲリラ豪雪」が頻発している。

 例えば、北海道では今シーズンだけでも12月17~18日の24時間に留萌市で77センチ、岩見沢市では12月21~22日に73センチ、小樽市では1月7~8日に69センチの降雪を記録。いずれも観測史上最多となっている。

 筆者も取材で留萌や小樽を訪れたが、雪に強いはずの市内の路線バスも運休。道路の両脇には人の背丈を上回る雪山があり、通常なら上下線で車が行き来できる道幅も半分になって市内の交通は完全に麻痺していた。さらにゴミ回収車も運休し、スーパーやコンビニの配送にも大幅な遅れが生じていた。

 また、これだけのドカ雪に見舞われると、自宅の出入り口や動線、車が雪で埋まってしまう。そのため、地元の人は1日3回もの雪かきに追われていた。1回あたりの作業時間は30分ほどで1日だと1時間半。思った以上の重労働で高齢者にはかなりキツそうだった。

 今年は例年に比べると暖冬傾向にあり、1月に入ってからようやくオープンにこぎつけたスキー場もあったほど。では、その一方でなぜゲリラ豪雪がここまで多いのか。

「冬場の大雪の原因は、日本海寒帯気団収束帯や線状降雪帯と呼ばれる大量の水分を含んだ帯状の雲。今年は海水温度が高いので発達しやすいんです」(気象予報士)

 海岸線から山までの距離が狭い場合、沿岸部に大量の雪を降らせることが多く、留萌や小樽などはこのケース。一方、内陸部でも岩見沢のように周囲に山がない場合は、逆にその地形ゆえに海から発達した雲が入り込みやすく、大雪を引き起すという。

「ゲリラ豪雪はゲリラ豪雨に比べるとやや広範囲になる傾向があり、大雪が降るとの情報も予報で事前にある程度把握できます。そのため、大雪がわかった段階で買い出しに行かなくても済むように、最低でも数日分の食糧は確保しておくことをオススメします」(同)

 特に冬場は屋根に積もった大量の雪による建物倒壊が毎年全国で多数発生している。雪は、降らない地域に住む人には幻想的でロマンティックな印象を与えるが、現地に住む人間にとっては厄介極まりない邪魔者なのだ。

(高島昌俊)

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