19年12月19日に青森県で震度5弱の地震が起きるなど、依然として11年の東日本大震災の余震が続く東北地方。海洋地質学者・地震学者であり、琉球大学名誉教授、木村政昭氏の見解によれば、
「11年の東日本大震災以降は、北海道や東北地方の断層にかかるストレスが以前ほどではないので、大きな地震にはつながらないのではないか」
当面、北海道や東北での大地震には楽観的な見通しを示したうえで、依然として南海トラフ地震については、小笠原諸島沖東側に注意する必要があるという。木村氏は15年5月20 日に発生した小笠原西方沖地震(マグニチュード8.5)も予測していただけに、気になるところだ。
「日本列島全体に、大きなプレートのひずみによるプレッシャーがかかっているのは確かです。特に心配されている南海トラフ地震は、小笠原諸島沖東側で、太平洋プレートから大きなひずみが集中しているのではと思われ、いつ地震が起きてもおかしくない。また陸の断層には、さほど変化はないが、海側の変化が激しいことが特色です」
木村氏によれば、これはマグニチュード6.5以上の大地震なのだという。海側が震源地となれば、津波にも気をつけなければいけないだけに、太平洋沿岸部の住民は十分に用心するに越したことはなさそうだ。
さらに、例年以上の深刻な被害をもたらした最強台風やゲリラ豪雨はどうか。気象予報士の森朗氏は、今年の夏もゲリラ集中豪雨には注意が必要だと警鐘を鳴らす。
「昨今の日本の異常気象は、気圧配置が変わって日本近海の海水温が上がってきていることが原因。水蒸気の量が増え、その結果、ゲリラ雷雨や強烈な台風が発生する。しかも、海水温自体は単年で急激には下がらないので、間違いなく、夏は特に暑くなり、ゲリラ雷雨は起こります。特に近畿〜九州地方の西日本方面は注意したほうがいい」
やっかいなのは、台風天国なだけに、いつ日本列島を最強台風が縦断してもおかしくないということ。
備えあれば憂いなし。日頃から天変地異への備えをすることが肝心なのだ。