高速道路各社が導入検討「PA・SAの駐車場有料化」は本当か! 

 高速道路各社がまとめた「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する整備方針」がドライバーの間で物議を醸している。

 同方針は、トラックドライバーの労働環境が2024年4月から厳格化される、いわゆる「物流の2024年問題」への対応として、サービスエリア、パーキングエリアの利便性向上について整備計画を策定。駐車場の立体化などと合わせて、「確実な駐車機会の提供」として、一定時間以上の利用に対する“有料化”を検討している。

 これに噛みついたのは、ジャーナリストの山路徹氏だ。山路氏は「SAは安全運行のための休憩所であり、長距離走行や深夜走行で仮眠をとるための場所でもある」として、有料化されれば休息を我慢して走り続けるドライバーが出てきて「危険極まりない」と指摘している。

 一方、長距離ドライバーからは、「金を払ってもいいから確実に停められるスペースを作ってほしい」という切実な声も上がっており、SNSでは賛否両論が飛び交っている。

 クルマ雑誌ライターが言う。

「近年はSA、PAに駐車して、そのまま近隣の商業施設などに向かうドライバーが出現するなど、慢性的な駐車場不足が課題となっています。横浜市の大黒PAは、車好きの“聖地”となっており、週末になると、走り屋やスーパーカーオーナー、ローライダー、大音量の音楽を流す音響系などが集結。駐車場内でBBQをする輩まで現れるなど、一部マナーの悪いドライバーのせいで使用が制限されることも珍しくありません。昨年12月には『日本の改造車を見たい』と、フェンスを乗りこえて侵入する外国人観光客が出現し、警察が出動する事態に発展しています。ゆっくりと休憩したいドライバーにとっては大迷惑といっていいでしょう」

 2024年問題を機に、本来あるべきPA、SAの姿が問われている。

(ケン高田)

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