ウクライナへの軍事侵攻に対する経済制裁により、他西側企業と同様、ロシアから撤退したコカ・コーラ。だが、その後現地では「クール・コーラ」や「ドーブルイ・コーラ」、「ジャンボ・コーラ」といったパクリ飲料が次々と登場している。
そんなロシアと協力関係にあり、経済制裁の先輩ともいえる北朝鮮では、2012年から「イタリアンコーラ」なる炭酸飲料が販売されていた。だが、この商品はどこからどう見てもコカ・コーラにしか見えないという。
「それもそのはずで中国から輸入した普通のコーラを『イタリアンコーラ』という妙なネーミングで売っているだけ。むしろ、パクリコーラを製造販売するロシアよりタチが悪いです」(北朝鮮事情に詳しいジャーナリスト)
だが、コカ・コーラは北朝鮮にとって憎き敵国である米国を象徴する飲み物。そんな商品を流通させて大丈夫なのだろうか?
「イタリア企業との合弁会社が経営する平壌市内のピザレストランで提供され、外国人も多く利用する店だったため海外メディアに取り上げられました。北朝鮮当局はあくまで『イタリアンコーラだ』と説明していますが、コカ・コーラ自体は2000年代前半ごろから流通しており、一部の高官や富裕層は入手可能でした」(同)
しかも、入手可能なのはコーラだけではないようだ。
「富裕層向けのごく一部のお店に限られますが、ファンタやスプライト、ペプシなど他の炭酸飲料も購入できます。スマホだってiPhoneが流通しているくらいですし、西側メーカーの飲み物や食品、タバコなどはカネと地位さえあれば現地でもいくらでも手に入ります。金正恩総書記にしても子供のころから大のコーラ好きだったのは有名な話です」(同)
ひょっとすると北朝鮮でコーラが普及しているのは将軍様の意向なのかも。