ロシア、北朝鮮への「砲弾見返り」は賞味期限切れ小麦粉だった!食糧支援を断ったツケ【2023年後半BEST】

 2024年1月に最高人民会議の開催を公表した北朝鮮。会議では核兵器やミサイルなど軍事分野でどのような方針を打ち出すのか注目されるが、そんな北朝鮮と密接な関係を築いているのがロシアだ。ロシア軍の総参謀長が「積極的な関係」を明かすなど、両国の軍事的つながりは深い。ところが、その関係に疑問符がついたのが「小麦粉事件」だった。(以下は12月18日配信記事を再録)

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 北朝鮮による挑発行為が止みそうにない。

 防衛省によれば17日に続き18日朝にも、北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射。ミサイルは日本のEEZ(排他的経済水域)外の、北海道・奥尻島の西方およそ250キロの日本海に落下したと推定され、被害情報は確認されていないようだが、飛行機や船舶、まかり間違えて陸地に落下した場合、大惨事になることは間違いない。日本政府もただ厳重抗議するだけでなく、何らかの対処を考える時期に来ているのではないか。

 さて、ミサイルを一発飛ばすために、全国民の46日分の食糧をまかなえる費用をかけていると言われる北朝鮮だが、ロシアに対して砲弾を供与してその見返りに得たのが、なんと賞味期限切れの小麦粉だったとする証拠写真が公表され、世界に波紋を広げている。

 この写真を入手し公表したのは、韓国から北朝鮮に向けて短波ラジオ「自由北朝鮮放送」を放送している同番組の金ソンミン代表で、同氏が東京で開催された国際セミナー「北朝鮮の最新情勢を知り、全拉致被害者救出への方途を考える」(主催・北朝鮮による拉致被害者家族連絡会・拉致議連)に出席した際、講演の中で紹介したものだ。

「同氏が北朝鮮内部から入手した写真は北朝鮮北東部の清津港から荷揚げされたというロシア産小麦粉の2キロ入りの袋で、現在も北朝鮮内の穀物販売所で一般に販売されているらしいのですが、袋に表示された賞味期限はなんと『2022/05/05』で、期限がすでに1年半以上切れている。つまりロシアは、弾薬と引き換えに、傷んでいるかもしれない小麦を北朝鮮に送った可能性が高いということです。これが事実なら、金正恩総書記も舐められたものだと言わざるを得ませんね」(北朝鮮ウォッチャー)

 農作物の専門家によれば、小麦粉は未開封状態で、強力粉なら製造後6カ月、薄力粉、中力粉は1年が賞味期限で、期限を過ぎたからすぐに使えないということはないものの、品質が損なわれている場合が多く、当然のことながら通常では流通しないものだという。

「写真を公表した金代表によれば、実は北朝鮮では昨年からの朝露関係改善により、ロシアから大量の食糧支援があるから、国民への食糧配給があるのではないかという噂が流れたものの、実際にはなかったようです。食糧支援を期待していた北朝鮮国民も失望したでしょうね」(同)

 実は、その背景にあるのが、10月にロシアの「タス通信」が報じた平壌駐在のアレクサンドル・マツェゴラ大使の驚くべき発言だ。同氏は、金総書記の訪露への「土産」として北朝鮮に対し「我々は2020年にも5万トンの小麦を人道的支援で無償提供しているが、これを再び遂行する準備ができていると話したものの、北朝鮮側は『今は問題ない』と断った」というのである。この発言は、食糧危機で餓死者続出と報じられる中で大きな話題となった。だとすれば、ロシアは北朝鮮のメンツを考慮して、全面支援はしないまでも要らなくなった小麦を送っておけばいい……とでも考えたのか。

(灯倫太郎)

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