「なれのはて」で直木賞2度目のノミネート NEWS加藤シゲアキの「実力」

 日本文学振興会は、12月14日に「第170回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の候補作品10作を発表した。今回、アイドルグループNEWSの加藤シゲアキが「なれのはて」で2度目の直木賞候補となっており、ファンの間で受賞を期待する声が高まっている。

 加藤は、母親がジャニーズ好きの友人に相談し、小学4年生の時にジャニーズ事務所に履歴書を送り、小学6年生の時にオーディションを経て入所。2004年5月にNEWSのメンバーとしてデビューした。
 
 12年1月に発売したデビュー小説「ピンクとグレー」は映画化され、その後、翻訳版が台湾、香港、マカオで発売されている。20年11月に刊行された高校生限定のマッチングアプリ・オルタネートを巡る青春小説「オルタネート」は、第164回直木三十五賞の候補に選出され、文壇で「青春小説の新たなる金字塔」と高く評価されたが、受賞はかなわなかった。

 これまで直木賞の選考委員は、浅田次郎、角田光代、京極夏彦、桐野夏生、髙村薫、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき、伊集院静の9氏だったが、伊集院氏が11月24日に亡くなったため、今回は8人となる。加藤のファンは「今年こそ」と意気込んでいるようだが、果たして受賞の可能性のほどは?

 文芸誌編集者が語る。

「『なれのはて』は、日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲を巡り壮絶なドラマが展開されるミステリー作品。400ページを超える読み応えたっぷりの一大エンターテインメントで、書評家の間でも高い評価を得ています。ストーリーの展開力に秀でていて、書き続ける力もあり、旧ジャニーズの看板がなくとも売れっ子作家になっていた可能性は十分あると思います。アイドルが直木賞を受賞したとなれば、メディアでも大きく取り上げられ、書店に女性ファンが押し寄せるでしょうね。ただ今年は、熊に村田銃と一匹の犬だけを伴い挑む男の姿を描いた河﨑秋子の『ともぐい』や、6度目ノミネートの万城目学の『八月の御所グラウンド』が有力視されており、加藤の強力なライバルになっています。どの作品が受賞するかは、蓋を開けてみないとわかりません」

 選考会と受賞作発表は来年1月17日に行われる。果たして加藤の悲願はかなうのだろうか。

(ケン高田)

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