中日ドラゴンズが24日、ベテランの中島宏之(41)や、前ソフトバンク・上林誠知(28)、前阪神・山本泰寛(30)、同・板山祐太郎(29)の獲得を発表した。「巨人との複数年契約を破棄した中田翔(34)も調査中」とも伝えられており、
「一塁にはビシエド、捕手兼務の宇佐見真吾もいる。上林も一塁を守れるし、中島を含め、飽和状態」(名古屋在住記者)
という、“補強のアンバランスぶり”が指摘されている。しかし、今回の中日の発表には、もう一つの疑問も持ち上がっていた。
阪神から戦力外を通達され、去就が注目されている外野手といえば、真っ先に浮かぶのが高山俊(30)だ。今回中日入りが発表された板山とは同じ学年の同期入団、右投げ左打ちでプレースタイルも被るところが多い。ドラフト1位で新人王を獲得したキャリアから考えれば、高山のほうが先に新天地が見つかってもおかしくないのだが、そういった話は一切聞かれない。
「高山はプロ2年目のシーズンに打撃不振に陥り、それを引きずりながら今日に至ってしまった印象です。昨秋のキャンプでは、打撃練習の途中にバットを振るのを止めて、メモ帳のようなものを読み始めた。直接指導を控えていた岡田彰布監督も見かねて、高山にアドバイスを送っていました。考えすぎなんじゃないか、と」(球界関係者)
不振の原因が「考えすぎ」だとすれば、結果が最高のクスリとなる。高山は、15日に行われた12球団合同トライアウトでいきなり右中間を破る二塁打を放っている。2安打2四球1盗塁と結果を出したが、板山が先に中日入りを決めてしまった。
独立リーグが関心を示しているとの情報もある。高山ファンは多い。トライアウトの会場でいちばん拍手をもらっていたのが、高山だった。“ひと休み”して、NPBへの再挑戦を目指すのも一案だろう。
(飯山満/スポーツライター)