私人逮捕系YouTuberが一掃される!?「ガッツch」逮捕にみる一斉摘発の動き

 YouTubeチャンネル「ガッツch」で私人逮捕系YouTuberとして活動していた中島蓮こと今野蓮容疑者(30)と共同制作者の“みっちー”こと奥村路丈容疑者(28)が警視庁に逮捕された。つい先日、私人逮捕系YouTuber「煉獄コロアキ」こと杉田一明容疑者(40)が逮捕されたばかりだが、今後も私人逮捕系YouTuberの一斉摘発がつづくのだろうか。

「痴漢、盗撮の撲滅を謳う『ガッツch』では、主に駅構内で痴漢をする人物を現行犯で私人逮捕する動画が人気となり、26万人以上のチャンネル登録者を集めていました。しかし、力ずくで逮捕しようとして、犯人とされる人物が駅の階段から転げ落ちるといった危険な行為にも及んでいることから、《さすがにやりすぎ》といった批判の声が相次いでいました。JR東日本も駅や電車内での秩序を乱す行為をやめるように呼び掛けていたのです」(ITジャーナリスト)

 今回の逮捕容疑は今年8月、ネット掲示板で出会った男性に覚醒剤を買わせてもってくるようそそのかした、覚醒剤取締法違反(所持)の教唆疑い。今野容疑者は男性と接触する前に警察官を呼び、職務質問をさせて逮捕する姿を撮影する目的だったとみられる。警視庁によれば、今野容疑者は女性を装って「覚醒剤を使って性行為をしよう」などと男性を誘いだしていたという。

「『ガッツch』は11月17日に『ハラスメントに関するポリシーに違反している』との理由でYouTubeから収益停止されたことを明らかにしています。そして、今後は《活動費、みっちーの生活費、私の生活費、政治団体の設立費用》のため、クラウドファンディングを開始することをクラファンのサイトで発表していましたが、現在はこちらも公開停止となっています。かつては痴漢や不正行為を取り締まるという大義名分に共感し、支持する声もありましたが、ここまで社会問題化すれば、さすがにYouTuberの私人逮捕を“世直し”と解釈する人は少ないでしょうね。今後も私人逮捕系YouTuberが逆に逮捕されるケースは出てくるのでは」(同)

 一時期、私人逮捕系YouTuberの動画は「スカッと系」とも呼ばれていたが、今回の逮捕劇にこそスカッとした人たちが少なくなかったのではないだろうか。

(小林洋三)

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