50歳からの婚活「大逆転への道」5カ条(1)“かっこいい”ではなく、最低限の清潔感

 アフターコロナの影響なのか「中年婚活」が盛り上がっているという。試しに婚活アプリをのぞくと、アラフィフ・アラ還おやじの自撮り写真がズラリ。だが慌てる必要はない。「大逆転への道」5カ条を厳守すれば、いとも簡単にライバルたちを出し抜けるのだ。

「生涯未婚男性の平均寿命を知っていますか? 未婚男性の死亡年齢の中央値は67.2歳なんですよ」

 そう衝撃的な事実を突きつけるのは「中年婚活 50歳、年収450万円からの結婚に必要な30の法則」(大洋図書)の著者であるルポライターの中村淳彦氏だ。3年半前に妻を病気で亡くし、一念発起して21年に婚活を開始すると、翌年には年収1200万円の女性との成婚にこぎつけた経歴を持つ。

 そんな中村氏が中年婚活を勧める理由はただひとつ。「今まで頑張ってきた同世代の男性たちに、早死にしてほしくないから」だという。

「僕らが高齢者になる頃には社会保障は当てにならない時代でしょう。友人も減り、不健康になることで趣味も楽しめず、常に孤独と背中合わせになる‥‥。そんな時にパートナーがいれば、孤独は免れることができる。ならば最後のチャンスとして婚活を勧めたいのです」(中村氏、以下同)

 中村氏も当初は「妻を亡くしたばかりだし」と真剣に婚活はせず、低年収の友人に囲まれ、普段着の適当なキャラクターTシャツ姿で髪の毛は無頓着。そんな“ありのまま”の姿で20代女性と食事をした時のことだった。

「あ、これはダメだ。今の自分が20代の女性に相手にされるわけがない。いや、女性全般がそう思うだろう‥‥と相手の態度を見てすぐに気づきましたね」

 まず「おじさんは女性にとって気持ち悪い、醜い存在である」ことを自覚したという。

「我々は今まで、男尊女卑の下駄をはいたまま生きてきた。だから女性はしかたなく話を聞いてくれていたけど、婚活の現場でその意識では通用しないどころか、最も嫌われます。まずは女性の指摘を素直に受け入れようと思いました」

 知り合いの女性に「自分のダメなところ」を聞いて回ると同時に、低収入でネガティブなことばかり話す友人とも距離を置くようになった。

「外見を変えるのは簡単。目指すのは“かっこいい”ではなく、最低限の清潔感だから。美容院で耳とおでこを出し、白髪染めをするだけでいい。服装は色つきのTシャツが女性から敬遠されるなんて知らなくて。女性のアドバイスに従って、黒、白、グレー以外を着ないようにしました」

 中村氏は即ユニクロに行き、片っ端から買い物をした。月に2、3万円を使い、年間計100万円をつぎ込んだのは「お金に上限をつけずに投資しないと“ありのまま”から脱出できない」からだった。

 そして婚活用の写真を撮影し、アプリに登録。対象はかつての経験から20代女性は論外とし、同世代に絞った。

「まずは年収の高い女性、高望みを対象にしました。婚活は会うまでが最難関。だから最初は、上流女性の中でも“いいね”の少ない人に“いいね”をしまくり、その中の歯科医の女性と会うことができました」

 しかし彼女とは4、5回会ったが、真剣交際までには進展せずフェードアウト。うまくいっていると思っていただけに、フラれたショックで婚活を諦めようとした時、現在の奥様から“いいね”がきた。

「これは“ノールックいいね”です。つまり、自分の存在を知らせるために片っ端からした“いいね”だとはわかっていましたが、高望み女性が『いい』と言ってくれるのに、こちらが断る理由はありませんよね」

 それから9カ月後、中村氏は見事、この女性と結婚を果たしたのだ。

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