「家族連れ」と「ちょい飲み客」にだけ朗報!? ガスト「30品目の値下げ」は受け入れられるか

 ファミレスチェーン大手の「ガスト」は11月16日、「お値打ちガスト宣言」をテーマにグランドメニューのリニューアルを行った。注目すべきは30品目に関して30円から200円の値下げをしたことだろう。消費者の節約志向に対応して決めたというが、その効果は…。

「今回の値下げの目玉は『チーズINハンバーグ』3種類の各50円引き下げと、『たっぷりマヨコーンピザ』が150~200円(店舗により異なる)引き下げられていることでしょう。あとは、アルコールメニューが例えば『アサヒスーパードライ(ジョッキ)』が550円から500円に、『レモンサワー』や『角ハイボール』が350円から300円に値下げされましたね。運営するすかいらーくホールディングスによると『多くの人が外食機会を持てるようにしたい』としています」(フードライター)

 ガストが値下げに踏み切ったのは、新型コロナウイルスの感染症の位置付けが5類に移行してからも思うように客数が増えていないのが原因と言われる。また、ガストはこれまで度重なる値上げをしてきた。例えば、モーニングの最安メニュー「トースト&ゆで卵セット」が都心部では329円から550円へ約1.7倍も値上がりしたことも話題となった。高価格路線が裏目に出て、客単価は増えたものの客数は大幅に減ってしまったこともあり、値下げによって反転攻勢をかけようということらしい。

「ただ、今回の値下げが客足の回復に大きく貢献するかは微妙なところかもしれません。というのも、値下げした30品目のうち、主菜は『チーズINハンバーグ』3種と『たっぷりマヨコーンピザ』のみで、他はアルコールやサイドメニュー、そしてお子さまメニューがメインとなっています。ちょい飲みで利用したい人や子連れの家族にとってはありがたいと思いますが、ガストが値下げしたことを実感できない人の方が大半ではないでしょうか。30品目で値下げをする一方で、『オムライス』や『若鶏のグリル』など一部商品は最大で50円値上げもされていますし、それほどお値打ち感はないかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 値上げばかりが目につく昨今だけに今回の値下げは消費者にとっては新鮮に映るだろうが、果たして客足は戻るのか…。

(小林洋三)

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