昨年のカタールW杯後に移籍したC.ロナウドに続き、今シーズン開幕前にも欧州のビッグクラブからスター選手たちが相次いで加入したサウジ・プロフェッショナルリーグ。
昨年のバロンドール(世界最優秀選手)受賞者で前Rマドリードのベンゼマをはじめ、パリSGからはブラジルの至宝ネイマール、昨シーズンの英プレミアリーグ王者のマンチェスターシティからはマフレズとラポルテらが加入し、移籍組だけでビッグクラブが作れそうだ。
ところが、8月に開幕したリーグ戦がいざ始まってみるとスタジアムは閑古鳥状態。10月末現在の時点で観客数の少なかったワースト3は、3位が第7節アル・リヤド対アル・フェイハの281人、2位が第8節のアブハー対アル・リヤドの210人、そして1位はアル・リヤド対アル・アフドゥードゥでわずか133人だ。
ちなみにJ1リーグ戦の最小観客数は、98年10月に行われた神戸―市原戦の2091人のため、いかに桁外れの少なさか分かるはずだ。
「ワースト3はすべてアル・リヤドの試合でしたが、今年18年ぶりに1部昇格を果たしています。でも、首都リヤドにはロナウドやバイエルンなどで活躍したマネが所属するアル・ナスル、ネイマールがプレーするアル・ヒラルがあり、どちらもサウジではビッグクラブ扱い。さらに中堅クラブの中では実力的に最上位のアル・シャバブも本拠地がリヤドで、アル・リヤドは地元でもサポーターが少ないんです」(サッカー専門誌編集者)
そもそも同国のクラブで外国人のスター選手が加入するのは、先に挙げたアル・ナスルとアル・ヒラルのほかにジェッタをホームタウンにするアル・アハリ、アル・イテハドの4チームに集中。実は、政府系ファンド「PIF」の資金投入で強化が図られ、リーグ戦ではいずれも平均1万人以上の観客を動員しているという。
「4強同士の対戦はスタジアムが満杯になることも珍しくなく、第9節のアル・イテハド対アル・アハリでは5万5764人を記録しています。ただ、世界広しと言えど1部リーグでここまでクラブ間の観客動員数が偏った国はありません」(同)
同一リーグで観客数5万人超えと100人台の試合があるのは、さすがにマズそうな気もするが…。