大盛り中止、出禁も続々…「インスタ映え」がもたらす負の影響

 大阪市内にあるジビエ料理店「なんば赤狼」が8月16日にツイッターで、写真を撮るために料理を大量に注文し、8割残して帰ったグループがいたことを明らかにし、「お金を払ったらインスタ映えのために料理を大量に残しても構わないと思っている方々はご遠慮下さい」と“出禁”を宣言。これが3万件以上リツイートされ話題となった。
 
「最近では、甲子園球場のほど近くにある定食屋『大力食堂』が高校球児のために始めたカツ丼の大盛を、同じように写真だけを撮り食べ残す客が多いことため廃止したことが大きな話題となっています。他にも、一昨年には大盛りラーメンで有名な『ラーメン二郎』の仙台店が、大盛りを注文して食べ残した残した客を出禁にしたとツイッターで報告するなど、インスタ映え目的の大盛り注文が問題となっていますね」(フードジャーナリスト)

 これにネット上では、《大盛り食べきったなら自慢になるが、写真だけ撮って残して何の意味があるんだ?》といった“出禁は正しい対応”とする意見がある一方、《金を払っているんだから店に損はないし、何の問題もない》とする指摘もあるなど、賛否両論を呼んでいる。
 
「大盛りメニューは赤字覚悟で実施している店も多く、飲食店で出る残飯を処分するには廃棄代もかかる。タピオカを撮影して全部飲まずに捨てる者も同様ですが、何より食品ロスが叫ばれる時代にあって倫理観の欠如を感じずにはいられません」(社会学研究者)

 最も残念なのは、こうしたことで人気メニューが続々消えていくことだ。

(小林洋三)

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