TBS系列の夜の報道番組「news23」が9月25日から一大リニューアル。これまでは小川彩佳アナ(写真)と山本恵里伽アナの2トップ体制だったのが、月曜から木曜は小川アナと藤森祥平アナのコンビで進行。日替わりでコメンテーターを招いて、スタジオでトークを繰り広げている。
9月26日放送回で取り上げたのは大阪・関西万博。国と自治体、経済界がそれぞれ3分の1ずつ負担する会場建設費が、現在の1850億円から2300億円程度に増額される見通しとなり、当初の1250億円から1.8倍になる計算だ。
この増額を受けて番組では、街頭インタビューを敢行。「そこまでして税金を使う必要があるのか」「多分行かない」「行こうと思います」といった様々な声を紹介した。
スタジオでは、ジャーナリストの浜田敬子氏が東京五輪と重ね合わせて持論を展開。「民間企業ならあり得ない」「予算内におさめるのが民間企業の感覚」と建設費の上振れを批判。「(建設費が)膨らみました。税金で補填します。それで本当にいいんですか」と問題提起した。
続いて、意見を求められた東京大学准教授で哲学者の斎藤幸平氏は、「今回どころか、万博自体がオワコン化してるんですよね」と前置きしてこう語った。
「企業にとってみれば、ネットとかも使えるし、わざわざ国際展示場でいろんなテーマ、雑多に集まってやる必要ってほとんどなくなってるから」と、25年の万博開催地についても日本とロシア、アゼルバイジャンしか候補に挙がっていなかったことを指摘。続けて「日本の一部のオッサンたちが昭和の幻想を今でも追い求めて、70年代の時だったら高度経済成長で、もっと将来を考えて、『明るい』、『楽しそう』ってみんななってたと思うんですけど、2025年に将来を考えて、30年後、40年後、経済停滞、少子化、気候変動悪化。暗い未来しかない中で、過去の幻影を追いかけながら明るい話をして実際にやらなきゃいけないことから目を背けさせる。そんなイベントになってほしくないですね」と主張した。
斎藤氏が「昭和のオッサン…」と万博批判を展開している際、小川アナは「そんな言い方ないじゃないですか〜」とツッコミを入れていたが、SNSでは《斎藤さんよく言った》《万博をボロクソに批判して面白い》《オワコンの万博で税金無駄遣い》などと斎藤氏の発言を称賛するコメントが見られた。
「番組では街の声を聞いたアナウンサーが、万博について賛成と反対の意見は『半々くらい』と説明していましたが、ネット上では圧倒的に反対が多数。今回の増額分についても、大阪府は国への負担を迫り、野党は大阪府と企業が賄うべきと主張しています。いわゆる“昭和のオワコン”に、莫大な税金が投入されるのは、やはり多くの国民が納得していないのではないでしょうか」(メディア誌ライター)
今後もリニューアルした「news23」から目が離せそうにない。