大谷翔平、右肘靭帯損傷で今季投手絶望!二刀流の宿命として抱える「肉体の矛盾」

 エンゼルスの大谷翔平が右肘内側側副靭帯を損傷し、今季の登板はなくなった。現地時間8月23日、レッズとのダブルヘッダーの試合後、ペリー・ミナシアンGMが会見を開き明かした。

 この日の大谷は、ダブルヘッダー第1試合に「2番・投手兼指名打者」で先発した。初回に44号2ランを放ったが、投手としては2回途中で降板。DHとしても3回の第2打席で代打を送られた。

 球団は当初「右腕の疲労」と説明していたが、1試合目と2試合目の間に画像検査をおこなったところ、断裂が確認されたという。大谷は8月9日のジャイアンツ戦の後にも、自ら次の登板回避を求めていた。

 じつは、この右腕の疲労こそ「二刀流の宿命」と言える。

 打者としては、腕はパワーアップのため、太くしていかなければならない。だが、太くなれば重くなる。腕が重くなれば、投手としての負担と疲労度は増す。つまり、二刀流は矛盾する2つの方向を同時に求めていくようなものでもある。

「大谷の右腕は昨季と比べ、太くなりました。これが本塁打量産にもつながりましたが」(現地メディア)

 大谷は右投げ左打ちだ。大谷の右腕は打者としてパワーアップした分、投手としての負担を増やしたとも言える。

 もっとも、投手・大谷だが、現在、ア・リーグの防御率ランキングで5位。トップはヤンキースのコールで3.03。大谷は3.17でそれを追い掛けている。6~7イニングを零封する試合が続けば、追い抜くことも可能だった。

「ホームラン王と、投手タイトルの防御率の両方を獲得すれもう二度と達成されないであろう歴史的な快挙だったのですが…」(米国人ライター)

 大谷は今後、打者としても試合に出られるかわからない。手術するかどうかも未定だという。

 ちなみに、2018年に同じく右肘内側側副靭帯を損傷した時は10月に再建手術を受け、キャッチボールができるまでに1年かかった。公式戦に登板したのは2年後の20年7月のアスレチックス戦だった。

 なんとか軽症であることを祈りたい。

(飯山満/スポーツライター)

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