山本由伸の契約は藤浪晋太郎次第!?/MLB「ネクスト挑戦者」のリアル評価(1)

 今オフ、ポスティングシステムでの米球界挑戦が確実視されているのが、オリックスバファローズの山本由伸だ。

「もう、彼の調査は終わったと言っていいでしょう。東京五輪、WBCでの好投、近年のペナントレースでの活躍が『メジャーリーグでも通用する』ことを証明しています」(ア・リーグ中地区球団スカウト)

 また、昨年オフの契約更改後の記者会見でのこと。山本は「将来の話を真剣に時間を掛けて(球団と)話をしたのは初めてですね。何かが決まったわけではないですけど」と、メジャー志望について話し合ったことを明かしている。

 同僚だった吉田正尚はひと足先にレッドソックスと契約して大活躍している。オリックスは2年連続でチームの中核選手を喪失することになるが、球団は山本の選択を尊重し、応援する方針であることは間違いない。
 
「山本には若さもある。今年8月で25歳、米球界で長くやってくれそうなので、千賀滉大(現・メッツ)『5年7500万ドル』(約105億円)を上回る可能性が高い」(前出・同)

 どの球団もエースとして、悪くても、先発ローテーションの3番手以内の高評価をしているそうだ。

 あえて、マイナス要素を挙げるとすれば、投球フォームだ。WBCで“初公開”されたフォームが「気になる」との声も聞かれた。クイックモーションのような速さで下半身が始動する。何人かの米スカウトは「右足にできるはずのタメがゼロではないか?」と首を傾げていた。

 だが、山本が研究熱心なのは有名な話。彼なりの投球理論があって現在の投げ方をベターとするが、もっと良いフォームが見つかれば、迷わずマイナーチェンジしていくだろう。こうした彼の探究心を満たしてくれる球団に巡り合えればいいのだが、今オフの米フリーエージェント市場は、何といってもナンバー1は大谷翔平だ。

「いや、意外なところで藤浪晋太郎に人気が集まるかもしれません。移籍先のオリオールズは、彼と旧在籍チームのアスレチックスが結んだ『1年325万ドル』(約4億5000万円)の契約を引き継ぎました。100マイル(約161キロ)を投げるリリーバーが米FA市場に出れば、投手全体の評価が混乱し、山本の交渉が遅れそう」(米国人ライター)

 一部では山本はダルビッシュ有、前田健太、鈴木誠也らと同じ「ワッサーマン・メディア・グループ」と代理人契約を結んでいるとも言われている。有力なエージェントグループだが、大都市に本拠地を置く強豪チームが大谷争奪戦に固執した場合、山本は地方球団から交渉することになるだろう。

(以下次回 飯山満/スポーツライター)

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