夏の長期ロードが始まる直前、その構想が崩れた。7月30日の広島との首位攻防戦後、阪神・岡田彰布監督はゲームとは直接関係のない質問を受けた。同日、ファーム戦に登板した守護神・湯浅京己の“異変”についてだ。
「7月29、30日に連投テストをしました。問題がなければ、内容に関係なく一群昇格させるつもりでした」(在阪記者)
問題がなければ……。阪神首脳陣が心配していたのは、6月16日の抹消の原因ともなった右前腕筋挫傷だった。連投テストは2日連続での2奪三振、球速も150キロを超えていたが、報道陣と目が合うなり、急いで移動バスに乗り込もうとしたという。「それどころじゃないんで」と言い残して去ったそうだ。
「ファームからの報告を受けた岡田監督が『左脇腹を痛めた』と湯浅の状態を説明する形となりました。8月1日から始まる長期ロード初戦から一軍に合流するとも見られていたんですが」(同)
左脇腹の故障は長引くとも言われている。代理クローザーの岩崎優に頑張ってもらうしかないが、こんな指摘も聞かれた。
「大竹耕太郎が新型コロナウイルス感染拡大防止特例の対象選手として登録を抹消されました。これで、開幕からローテーションを守ってきた投手はゼロになりました。厳密には、リフレッシュ休暇で1回ローテーションを飛ばしてもらっているんですが、『まもなく一軍に帰ってくる』と思われていた湯浅の故障と重なり、チーム全体にイヤな雰囲気が漂い始めました」(関係者)
才木浩人の二軍降格もあり、秋山拓巳、ビーズリーがその穴を埋める予定。近年、阪神は夏の長期ロードで勝率5割を切るケースも増えてきた。連日、気温30度を超える真夏日が影響しているのだろう。
岡田監督は広島との首位攻防戦を2勝1分と勝ち越しても表情が冴えなかった。30日の試合中、緊急獲得した前ヤンキース3Aのリリーバー、コルテン・ブルワーの来日予定日が確認されたのはそのせいか?
(飯山満/スポーツライター)