伊調馨、東京五輪出場ピンチで「対至学館」は教え子に託す!?

 女子レスリング・伊調馨の東京五輪出場に“黄信号”が灯っている。

「東京五輪に出場するには、その第一ステップと位置づけられた世界選手権に出場しなければなりません。そこで表彰台に立てば、東京五輪出場は決定となるのですが」(体育協会詰め記者)

 その世界選手権の出場を巡り、伊調が同じ57㎏級のライバル川井梨紗子に敗れたのは、既報通り。川井が世界選手権でメダル獲得となれば、伊調の東京五輪出場は「ジ・エンド」となる。伊調自身、川井が東京五輪代表に決まれば、他階級に挑むことなく指導者になることを視野にマットを退くことを示唆している。

 伊調はすでに練習拠点とする日体大で学生たちの指導に当たっているという。
 
「女子レスリングは現在、至学館大学の系列が一大勢力となっています。伊調も卒業生ですが、吉田沙保里がその象徴的存在。近年では日体大が巻き返そうとしていますが」(TV局スポーツ部員)

 日体大には、伊調が師事する田南部力コーチがいるが、伊調は同コーチの愛娘で、やはりレスリングをやっている田南部夢叶選手の指導役も務めているという。

「伊調と田南部コーチは、至学館大学グループが一大勢力となっている女子レスリング界では『対抗勢力』。でも、卓越したレスリング理論があり、次世代の若い選手からの人望は厚い」(前出・体協詰め記者)

 伊調は田南部コーチの愛娘に世界で学んだ奥義を伝授し、日体大の選手強化に心血を注ぐのではないだろうか。ライバルと位置づけられてきた吉田沙保里はタレント活動に重点を置いている。
 
 カリスマ性のある吉田が至学館大学の指導の前面に立たなければ、その勢いも今後どうなるかわからない。レスリングの遺恨はセカンドシーズン突入となりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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