7月19日、熱すぎるチキンナゲットでやけどした子供に対して、米マクドナルドに80万ドル(約1億1000万円)の損害賠償を支払うよう命じる判決が下された。同社には過去、コーヒーで火傷した女性に3億円の支払いを命じる判決が下されたこともあった。
「2019年、フロリダ州タマラックにあるマクドナルドのドライブスルーでハッピーセットを購入したホームズさん母娘は帰り道、後部座席にいた娘のオリビアちゃん当時4歳に食べ物を渡したところ、突然叫び声を上げたといいます。オリビアちゃんは熱々のチキンナゲットを太ももとシートベルトの間に落としてしまい、2分近くその状態が続いたことから第Ⅱ度の熱傷を負い、酷いやけどの跡が残ってしまった。これは熱いナゲットでやけどする危険性を注意しなかったマクドナルド側に責任があるとして訴訟となっていたのです」(フリーライター)
今年5月の第1審では、サルモネラ菌中毒を避けるために93度近くの高温になっていたナゲットについて注意喚起しなかったのはマクドナルド側が責任を負うものとして過失を認定していた。そして、全米の注目が集まった第2審では、原告が被った傷や精神的苦痛などに対して40万ドルの賠償が認められ、将来的に残るダメージに対してさらに40万ドルの賠償も加わり、計80万ドルの支払いがマクドナルドに命じられたのだった。
「米マクドナルドといえば、過去にも女性がコーヒーでやけどを負い、約3億円の支払いが命じられたことでも有名ですよね。1992年、ステラ・リーベックさんはニューメキシコ州アルバカーキのマクドナルドのドライブスルーで購入したコーヒーを膝の間に挟んで蓋を開けようとした際に中身をすべて膝にこぼしてしまい、第Ⅲ度の熱傷を負ったことでマクドナルドを提訴。コーヒーの温度が異常に高かったことやマクドナルド側が注意をしなかったことなどから、マクドナルドのコーヒー売上高の2日分に相当する270万ドルなどを賠償する判決が下され、訴訟大国アメリカを代表するエピソードとして今も語り継がれています。ちなみに、最終的には双方で和解が成立しており、マクドナルドはステラさんに約5000万円の支払いをしただけで済んだそうです」(経済ジャーナリスト)
なお、ステラさんに3億円の支払いが命じられた際には、アメリカでマクドナルドへの訴訟が殺到したそうだが、今回の裁判を受けて再びマクドナルドを訴える人は増えそうだ。
(小林洋三)