不動産・投資事業に続きゲーム業界へ参入!TBSはやっぱり「テレビは副業」なのか

 テレビ局はどこも広告収入が頭打ちと言われ、本業以外に収入の道を模索しているところも多いという。

 そして、不動産事業によって本業の数倍の利益を上げているのはTBSだ。所在地をもじって「テレビもやってる赤坂の不動産屋さん」などと揶揄されるほどである。

「それが際立ったのは、2018年にTBSが保有している半導体製造装置メーカーの東京エレクトロン株の配当を巡り、英国籍のファンドとバトルに発展した際の一件でしょう。この当時のTBSは放送事業で33億円の営業利益がありましたが、その倍以上の80億円も株の配当によって得ていたことから、『放送事業は副業』と皮肉られたという一幕がありました」(経済ジャーナリスト)

 あれから5年。現在はますます「副業」に勤しんでいるようだ。

 6月29日には、教育事業で個別指導塾の「スクール IE」などを展開する「やる気スイッチHD」を子会社化した。さらに同日には、動画配信のU-NEXTへ243億円出資することも発表している。それにより、もともとあった同社の株式比率が2.25%から20%に高まった。

「TBSの投資事業はかなり積極的です。同社は13年にベンチャー投資ファンドの『TBSイノベーションパートナーズ』を立ち上げ、既に3本のファンドを組成しています。同社のHPを見ると、投資先に電動キックボードのLuupもあって、赤坂で試乗会もやっていたりしますね」(前出・ジャーナリスト)

 TBSの本業以外への事業拡大はまだある。7月5日にはゲーム事業への参入まで発表したのだ。「TBS GAMES」なるもので、HPを開くと大きく「まだ見ぬ最高の“時”をゲームで」というロゴが踊る。

「テレビ局の副業と言えば、フジテレビが11年に介護事業に参入したことが話題になりました。また、テレビ東京がシンガポールの企業と組んで『AI Vtuber』の開発をすることが明らかになったり、テレビ朝日もメタバースの専門部署を開設しています」(前出・ジャーナリスト)

 もはや広告減の危機に生き残りをかけて、というより、なにやら事業拡大の貪欲な姿勢が見えてくるのである。

(猫間滋)

マネー