「なんでそこまでして…」関口宏がアメリカのクラスター爆弾供与に苦言

「ウクライナは領土を守るためにクラスター爆弾を求めている」

 去る7月7日、アメリカのサリバン大統領補佐官が会見でこう述べて、ウクライナへのクラスター爆弾の供与を発表した。ウクライナのレズニコフ国防相は「領土奪還の目的のためだけに使用する」と使用範囲を限定するとしているが、イギリスやカナダが反対を表明するなど波紋を広げている。

 7月9日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)でこの話題を取り上げ、司会の関口宏はクラスター爆弾について、「ひとつの爆弾から多くの小型爆弾を広い範囲にまき散らす兵器です」と紹介。不発弾として残りやすいことから、民間人に被害が及ぶ恐れを懸念し、コメンテーターで中央大学教授の目加田説子氏に「確かこれ、世界的に禁止しようって運動になっていましたよね?」と話を振ると、目加田氏は「条約ができまして120を超える国が加盟」と説明。さらに、ウクライナ侵攻が始まった当初、ロシアがクラスター爆弾を使用した疑惑が浮上した際、ホワイトハウスの報道官が「事実であれば戦争犯罪」と述べたことについて言及し、今回の供与を「アメリカ外交の二枚舌」と非難した。

 これを受けて関口宏も「なんでそこまでして、アメリカはこれを出すか」と、クラスター爆弾の供与に苦言を呈した。この発言にSNSでは、《停戦した後に不発弾の心配も出てくる》《関口さんのおっしゃる通り》と賛同の声があがる一方、《なんで出すかって…侵略を止めるためでしょ》《核兵器で脅しをかけてるロシアはどうなんだ?》と疑問の声があがっていた。

「番組で目加田さんが言った通り、条約の加盟国はクラスター爆弾をすべて廃棄処分していますし、アメリカでも製造は行われていません。今回、アメリカがウクライナに供与するのは不発弾となるリスクが低い在庫の爆弾とのことで、実際の使用も限定的になると見られています。一方、ロシア側は侵攻開始直後の3月から、ウクライナ北東部のハルキウの住宅地でクラスター爆弾を使用したと見られ、多くの民間人が命を落としています。現地では証拠となる不発弾や部品が発見されており、戦争犯罪であることは明らか。7月8日にロシア側は今回のアメリカの決定を強く非難しましたが、ネット上では《身勝手すぎる》《自分は使っておいて…》といった声が大勢を占めています」(メディア誌ライター)

 クラスター爆弾が反転攻勢にどんな影響を及ぼすか。戦況を見守りたい。

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