吉野七宝実「イカで胸を隠すとカユくなるんですよ」/グラビア最前線インタビュー(3)

 世にも珍しい〝干物グラビア〟がテレビでも取り上げられ、一気にブレイクした吉野七宝実(32)。自分で釣った魚をみずからさばき、干物にして、自宅の風呂場で写真に収めるという前代未聞の活動は、まさに聞いたことのない“事件”の連続だった!

―基本的には自撮りですよね。いつもどんな感じで撮ってるんですか?

吉野 お風呂場の物干し竿みたいなところにスマホをガムテープで張りつけて、ブルートゥースの小さなリモコンシャッターを手に持って、カシャカシャって。

―いちばん苦労した魚は何ですか。

吉野 最近は干物より、生の魚介類を使うことが増えたんですけど、アオリイカですね。イカって吸盤にイボイボがあって、そこに歯じゃないんですけど、なんかギザギザがあるんですよ。だから体にまとうと、めっちゃカユくなる。しかもヌメヌメしてるから、体に乗せてもツルツル滑って落ちちゃって、見えてはいけない部分が全部写っちゃう(笑)。撮影にはすごく時間がかかりましたね。

―そういうヌメヌメは、事前に洗わないんですか。

吉野 それはあえてヌメヌメを生かしたくて。イカやタコはそのまま乗せることが多いです。

―お肌的には、大丈夫なんですか。

吉野 なぜか毎回じんましんが出るのが深海魚。例えばキンメダイも深海500メートルぐらいのところに棲んでいるんですけど、じんましんが出てしまって。まあ、1週間ぐらいで治るんですけどね。

―じんましんが出るのがわかってて撮影するのは、イヤじゃないんですか。

吉野 深海魚の時はいつも覚悟してますね。スケジュールを確認して「ここなら他の仕事に支障は出ないな」って(笑)。

―けっこう大きな魚でも撮影されていますよね。アブラボウズとか。

吉野 40キロぐらいありましたね。あんまり一般的な魚じゃないんですけど、テレビ番組の取材で南伊豆に行かせていただいて釣ったんです。その時はスタッフさんが私の家の玄関まで運んでくれたんですけど、クーラーボックスに氷も入ってるから60キロぐらいあるのに「じゃあ、あとは撮影よろしく」って言い残して帰っちゃったんです。

―40キロって、男でも簡単に動かせないですよね。

吉野 はい。だから尻尾にタオルを巻きつけてお風呂場まで引きずって、抱き抱えながら撮影しました。もうどれが成功するかわからないので、色々抱き方を変えながらたくさん撮ったんですけど、あとで見たら、片胸が出ちゃってる写真がたくさんありましたね(笑)。

―撮影が終わったあと、アブラボウズはどうしたんですか。

吉野 何回かに分けて食べました。基本的に釣った魚はあとで食べるので、今回のように鮮度を保つために氷漬けにして持ち帰るんですよ。それを抱いたり、体に乗せたりするのはホントに冷たくて、地味にツラいです。

―ちなみにファンに好評だった写真は?

吉野 タコですね。3年前から撮った写真のカレンダーを自主制作してるんですけど、タコは去年のカレンダーに載せたものです。

―おお、これはスゴいですねぇ。人気なのがわかります。

吉野 この時も足を1本1本ギュッと寄せてトップを隠してるんですけど、足の間からめちゃくちゃハミ出てましたね(笑)。

―来年のカレンダーも作ってるんですか。

吉野 はい。もう半年分ぐらいは撮影しました。今は「次は何の魚にしようかな」「この魚ならこんな写真ができるかな」って妄想しながら、図鑑を見ているところです。

吉野七宝実(よしの・しほみ)91年、千葉県生まれ。166センチ、B86・W59・H88。19年に干物で体を隠した写真をSNSに投稿し、フォロワーが急増。20年には自分で釣った魚介と撮った干物グラビアが「アウト×デラックス」(フジテレビ系)で取り上げられて話題に。2023年カレンダーが好評発売中。

*週刊アサヒ芸能7月13日号掲載

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