佐賀県の吉野ヶ里遺跡で5月29日に発見された石棺墓。邪馬台国の謎を解き明かす貴重な手がかりとして注目を集めているが、6月11日放送のTBS系情報番組「サンデーモーニング」で司会の関口宏が“余計な一言”を発したことで、佐賀県民や古代史ファンから批判が寄せられている。
1週間を振り返るコーナーで、6月5日に石棺墓を開ける作業が行われたことを紹介。関口は「佐賀県の吉野ケ里遺跡でこの日、墓の石の蓋が開けられました。この墓、1800年前、弥生時代後期に作られた有力者の墓と見られているんですが、邪馬台国につながる発見となるか」とニュース原稿を読み上げて、サブキャスターの水野真裕美アナに解説をゆだねた。
水野アナは手書きのフリップを用いて、石棺墓が発見された経緯や邪馬台国の所在地をめぐる畿内説と九州説を紹介。墓の写真を指さして、石の蓋に刻まれた線刻や赤い顔料など、有力者のものと推測される根拠を挙げて、専門家の「骨は見つからないだろうが、中国から贈られた鏡や鉄剣。玉などの副葬品が出てくれば邪馬台国論争に一石投じる可能性がある」とのコメントを読み上げ、「果たして邪馬台国につながる手がかりは出てくるのでしょうか」と述べて解説を締めくくった。
これに疑問を投げかけたのは関口。「なんか出たら学会は大変なことになるんだろうけど、ただなんか、それほど豪華な墓に私は見えないんですよ。わかりませんけどね」と述べて、石棺墓の内部の土が取り除かれる日程について「金曜日(16日)くらいですか?全体がわかるのは?」と関口が質問すると、水野アナは「金曜日くらいです」と答えていた。
「関口さんの『豪華には見えない』と冷や水を浴びせたことに、ネット上では『ピラミッドじゃないんだから』『1800年前の墓に何を求めているんだ』『弥生人に失礼』とのコメントが相次いでいました。佐賀県は地元紙が一面で大々的に報じるなど、30年以上前の邪馬台国フィーバーを彷彿させる盛り上がり。世紀の大発見となれば、再び観光客が押し寄せ、大きな経済効果が生まれます。たしかに、石棺墓は見た目は地味かもしれませんが、古代史最大のミステリーを解き明かす鍵になりえるだけに、豪華か豪華でないかはそれほど重要ではないかもしれません」(メディア誌ライター)
畿内説か、それとも九州説か。いずれにしても邪馬台国論争はターニングポイントを迎えそうだ。