〈5月31日午前0時から6月11日午前0時の間〉と、事前通知した期間のしょっぱなにロケットを打ち上げた北朝鮮。しかし、目標の軌道に乗せることができず、推進力を失ったロケットは、そのまま黄海に墜落。今回は北朝鮮の国家宇宙開発局も珍しく「打ち上げ失敗」を公式に発表し、エンジンと燃料に技術的欠陥があったとして「科学者、技術者、専門家らが具体的な原因解明に着手する」ことを明らかにした。
「北朝鮮は、来月上旬に朝鮮労働党中央委員会総会を招集しているため、金総書記としては何としても、そこを『衛星打ち上げ』の成果を評価する場にしたいという思いがある。今回の予告初日の打ち上げにも、そんなプレッシャーをひしひしと感じますね」(北朝鮮ウォッチャー)
一方、ミサイル発射に失敗した同日午後、北朝鮮に関する興味深い記事が韓国メディアで報じられた。韓国の情報機関である国家情報院が、金総書記の画像などをAIを使って分析したところ、同氏の体重が140キロ台半ばに達し、重度の睡眠障害を抱えていることが明らかになったと、韓国国会に報告したというのである。
「分析された金総書記の写真は5月16日に公開されたもので、目の下には深いクマがあり、見た目にもかなり疲れた様子が見てとれました。国情院の分析によれば、体重は約140キロ台半ばと推定され、生活習慣病にかかっていると指摘。さらには腕などにひっかき傷が確認されていることから、『アレルギーとストレスによる皮膚炎の可能性が高い』とレポートされたといいます」(同)
また、北朝鮮当局は今年4月頃から不眠治療に関する海外の情報を極秘裏に収集していたそうで、それが事実であれば、金総書記の睡眠障害はもはや国内では治療が不可能なところまで来ている可能性さえ伺わせる。
「北朝鮮が収集した不眠症治療関連薬の中には、アステラス製薬が日本で販売する睡眠導入剤『マイスリー』等も含まれていたそうです。同薬の成分であるゾルピデムは依存性リスクが少ないわりに効果の切れと早さが特徴だと言いますが、ただ、睡眠薬なのでふらつきや倦怠感といった副作用が出現することはあります。また、同薬とアルコールを併用すると双方に依存しやすくなる傾向があり、正しく服用しなければ抜けられなくなることも。伝えられるところ、金総書記は相当なヘビースモーカーなうえアルコール依存もあるといいますから、睡眠障害とストレスからつい薬とアルコールを…となれば正常な判断が難しくなる。同氏はミサイル発射の権限を持っているわけですからね。くれぐれも極端な行動を起こさないよう願うばかりです」(同)
北朝鮮では2005年7月に「たばこ統制法」が制定され、20年11月には「禁煙法」が施行された。また、北朝鮮外務省は30日の「世界禁煙デー」に合わせ、ホームページ上で中国やロシアなどの禁煙政策を紹介し禁煙の必要性を強調しているが、当の金総書記は例外扱いのように見える。
独裁者の健康状態は現在のところトップシークレットであるが、今後はAIの発達で、丸裸にされる可能性も高い。
(灯倫太郎)