ヘンリー王子「パパラッチとカーチェース大騒動」話盛りすぎな被害声明とその真相

 このニュースを聞いて、1997年にパリで亡くなった故ダイアナ妃の衝撃事故を想起した人も多いのではないだろうか。

 17日朝、ヘンリー王子とメーガン妃の報道官が、「昨日、非常に攻撃的な複数のパパラッチにより、大惨事になりかねないカーチェイスに巻き込まれた。2時間以上にわたって執拗に追いかけられ、他の車、歩行者、2人の警察官を巻き込む衝突が複数発生。公人は大衆の興味を集めるものだが、誰かの安全が犠牲になってはいけない」と声明を発表。このニュースは、パパラッチの強引な取材を批判するトーンで報道され、日本でも大きく取り上げられた。

 しかし、直後からさまざまな検証報道が噴出。どうも雲行きが怪しくなってきた。

「最初に疑惑をぶち上げたメディア『Page Six』によれば、夫妻は当初、ダイアナ妃がひいきにしてきたホテル・カーライルへ宿泊しようとしたが、ホテル代は一泊1240ドル(約17万円)からで、スイートだと6000ドル(約82万円)と価格は超一流。そこで、料金の割引を交渉するも、ホテル側は拒否。結局、宿代をケチったために友人宅に滞在することにし、移動中にパパラッチを振り切ろうとしたことで追走劇につながったというのです。報道の通りなら、この混乱は夫妻の渋チンぶりが招いたと言えなくもない。相変わらずのお騒がせぶりに、NY市民も呆れています」(NY在住ライター)

 ほかにも、信号や交通量の多いニューヨークで2時間もカーチェースができるものなのか、など疑問の声が続出。さらに、ニューヨーク市警察は、「カメラマンが多数いたせいで移動は難しかったが、夫妻は目的地に到着した。事故の報告はなくけが人や逮捕者も出ていない」と、衝突が発生したとする夫妻の声明を否定している。

「ヘンリー王子は、今年初めに出版した自叙伝『SPARE』でも、パパラッチの追走による事故で亡くなった母ダイアナ妃に触れ、心にどれほどの痛みを負ったかを吐露しています。なので、パパラッチに対する嫌悪感が強いのはやむを得ないかもしれません。しかし夫妻の言動を見ていると、例えばイベント会場には裏口があるのに、あえてパパラッチが待ち構える正面玄関から出てきて、これに見よがしにロングドレス姿で車に乗り込むなど、写真を撮ってくださいと言わんばかりの行動が目立ちます。必然的にパパラッチに追われることになるわけですが、『パパラッチに着いてこられて弱りました』では世間の同情は引けない。そこで、より衝撃的になるように話を盛ったのではないでしょうか。現在、ヘンリー王子は、王室を離れたことでイギリス警察の警護対象から外されています。これを撤回するよう英国の司法で争っていることもあり、自分たちがいかに危険な状況に置かれているかを誇張したかったとの見方もあります。いずれにせよ、このお2人の被害者意識が相当強いことを、改めて世間に知らしめた騒動でした」(同)

 王子夫妻とメディアとの、あくなき戦いは続く…。

(灯倫太郎)
 

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