史上最年少でハーバード卒の芦屋市長が誕生したり、元迷惑系ユーチューバーの都議選落選など、何かと話題の多かった統一地方選の後半戦。なかでも目立ったのは女性候補者の躍進ぶりだった。
4月30日放送のTBS系「サンデーモーニング」では、衆院和歌山1区の補欠選挙で林佑美元和歌山市議が当選を果たしたニュースとともに、「日本維新の会」の勢力拡大を伝えた。
これを受けてスタジオの法政大学名誉教授の田中優子氏は女性首長が最多になったことに触れて、杉並区を引き合いに出し「47人女性が立候補して24人が当選したということで、しかも合同街宣といって女性が党(の垣根)を越えて街宣して票を取ったんですね」と述べ、投票率の低さを指摘しながらも「女性が投票することによって確実に変わっていくんじゃないかって予感はしているんですね」と評価した。
そして、田中氏は「選挙のことを365日24時間考えられませんよね?」と、維新の会の馬場伸幸代表が3月の会見で放った“炎上発言”にも触れ、「選挙のことを365日考えてる人に政治家になってほしくないですよ。もっとちゃんと現実を見てほしいし、市民の生活を見てほしい。わかってほしいですね。ですからそういう意味ではこれをきっかけにして、女性が国会議員を含めてどんどん政治家になっていただきたいと思います」と締めくくった。
この「365日発言」は日本維新の会・馬場伸幸代表が、「私自身も1年365日24時間、寝てる時とお風呂に入っている時以外、常に選挙を考えて政治活動をしている。それを受け入れて実行できる女性はかなり少ない」と述べたものだ。
「たしかに、現在の選挙制度では、子育て中の女性が立候補するのは難しい状況。選挙期間中は朝から夜まで、選挙活動に追われますし、それ以外の期間も地域の会合などで顔や名前を売らないといけない。とはいえ、選挙のことばかり考えている政治家には、政治家になってほしくないというのはド正論。『こんな政治家は嫌だ』の典型的なパターンでしょう。SNSでは『田中先生、さすが!』『政治を職業にする人は嫌だな』といった意見が見られました」(政治ジャーナリスト)
日本は先進国の中でも女性政治家の割合がまだまだ少ないと言われる。女性の声をどんどん政治の場に届けてほしい。