金正恩が恫喝!水中ドローン型核兵器で「放射能津波」を起こす(3)金王朝が生き残るためには

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は次のように訴える。

「確かに現状では、ヘイルが有効な兵器とは言えないかもしれません。ですが、これはあくまで米韓対策のために考えうる核兵器をすべて作っておこう、という流れの一環。核ミサイルだって色々なパターンの発射方法を試している。それに北朝鮮はこうした核関連の報道で明らかなウソはつきません。言ったことはしっかりやってきている。常に開発を進めて、核弾頭の小型化、軽量化にも成功しています」

 それをわざわざ迎撃されるヘイルに積まなくとも、同サイズの核弾頭をミサイルに乗せて発射した方が大きな被害を与えられるのは自明の理だ。依然として北朝鮮の核の脅威は減らず、むしろ増しているという。「デイリーNKジャパン」編集長・高英起氏も同意する。

「金正恩が金正恩である限り、核開発をやめることはありません。むしろそれにすべてを注入し続けるでしょう。資金面で破綻する、という意見もありますが、かといってそれで北朝鮮経済が破綻するレベルまで使い込むことはない。遅かれ早かれ、核実験も決行することになるでしょう。止める理由がないからです」

 外から見ればむしろ破滅に向かって突っ走っているようにしか見えずとも、金総書記には、生き残るためにはもはやこの道を行くしかない、という過剰なばかりの確信があるのだ。

「金正恩が止まるためには、アメリカが自分と自分の国を害さないという保証、すなわち米朝間の平和条約の締結が必要です。しかし、唯一可能性があったと思われるトランプ前大統領(76)が敗北し、道はついえました。バイデン現大統領(80)は今後もシェイクハンドに応じないでしょうし、仮に再び共和党の候補が政権を取っても、歩み寄ることはないように思えます。つまり、北朝鮮の核が暴発する可能性は高まり続けている。もはや日本だけでなく、全世界がターゲットだと言っても過言ではありません」(高氏)

 4月7日には、日米韓の北朝鮮担当政府高官が韓国・ソウルで協議を行い、北朝鮮の弾道ミサイル発射や核開発を非難する共同声明と、安保協力を強化する旨を発表。またその3日前には、先述した米韓の合同軍事演習に引き続き、日本から海上自衛隊も参加した3カ国の共同訓練も実施している。

「現実的に、今すぐ津波や地震が日本を襲うわけではなくても、可能性のある限り警戒を続けるのが国防。将来的に北朝鮮の核技術に革命が起きて、本当に地震を起こせるようになってから対応するのでは遅すぎるのだから」(政府防災担当者)

 その時、金正恩総書記が照準を合わせるのが日本ではない、と誰が断言できるだろうか。海峡を越えた緊張関係が雪解けに向かう日は遠い‥‥。

*週刊アサヒ芸能4月20日号掲載

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