近年、瞬く間に普及した24時間営業のトレーニングジム。スタッフがいない無人の時間帯でも、一人で気軽にトレーニングできるとあって、幅広い世代に支持されている。そんな中、とある人気ジムの会員宛に送られたメールに、嘆きの声が寄せられているという。フィットネス事業大手・ティップネスが運営する「FASTGYM24」の会員男性が打ち明ける。
「3年ほど前から地元の都内のジムに通っていました。コロナ禍では人がいない深夜の時間を狙って黙々とトレーニングしていました。しかし、3月末に利用店舗の閉鎖を告知するメールが届いたんです。そのメールによれば、全国19店舗が6月30日の20時をもって一斉閉店するようで、かなり衝撃を受けました」
この会員男性によれば、関東エリアでは板橋店、中野新橋店、武蔵関店、早稲田店など15店舗が、そして中京・東海エリアの4店舗が閉店になるという。経済ジャーナリストが語る。
「24時間営業のジムといえば、アメリカのノウハウを取り入れた『エニタイムフィットネス』や全国に230店舗以上を運営する『JOY FIT24』が潜在的なニーズを掘り起こしてきました。最近では、インターネットカフェ『快活CLUB』もジム事業に本格参入。今年度からはフィットネスジムを併設した店舗を拡大させていく予定で、こちらは時間利用制と定額制の料金プランを設けていて、定額制は月額3980円。既存チェーンよりもかなりリーズナブルな料金設定で顧客を獲得する狙いが感じられます」
なお、顧客満足度を調査するoricon MEが今年2月に発表した「24時間ジム」の満足度調査では、「エニタイムフィットネス」が1位となり、2位に「FiT24」、3位に「ジョイフィット24」が続く結果となった。
「長年、通いなれた『FASTGYM24』が閉店してしまうのは残念ですが、都内にはいくらでも24時間ジムがありますからね。気になるのはライザップが運営する『chocoZAP』。公式サイトには、全店舗使い放題で月額利用料はなんと2980円。ちょっと試しに利用してみたいと思っています」(前出・会員男性)
超リーズナブルな24時間ジムが続々オープンすることで業界勢力図が大きく塗り替えられるかもしれない。
(コレッシュ山本)