坂本勇人の不振も心配だが、菅野智之はもっと深刻のようだ。
去る4月5日、30球程度ではあったが、菅野が2日続けてブルペン入りし、復活をアピールした。「右ヒジの違和感」はもう大丈夫そうだが、しかし、これで即一軍復帰とはいかない。
「原辰徳監督、阿波野秀幸投手チーフコーチともに、『ファームで2、3試合投げてから』と話しています。今までは故障が治ればそのまま一軍昇格となりましたが、今回はファーム戦で勝って結果を出さなければなりません」(ベテラン記者)
それだけではない。現巨人ファームは「一軍昇格」を待つ投手で「渋滞」を起こしているのだ。
「今季の飛躍が期待されていた井上温大は、大事を取ってあえてスローペースで調整しており、左ヒジにメスを入れた高橋優貴も実戦登板を終えており、育成の山本一輝も『次の支配下登録候補』と言われています。オープン戦後半で投げた新人の田中千晴も先発要員として調整中です」(球界関係者)
山崎伊織も先発要員としてスタンバイしている。また、リリーフでは中川皓太、平内龍太らも実戦登板を目前に控えており、育成1位の松井颯もいる。
「二軍首脳陣は中川らの5、6月の一軍復帰を念頭に調整させています」(前出・球界関係者)
こんなファームの状況下で菅野に与えられる実戦登板の機会は多くない。これまでは「若手の登板予定を取り上げて」ということもできたが、今はファーム登板で「一発回答」を出さなければ、二軍生活が無期限に延長してしまいそうなのだ。
菅野の不振については、こんな情報も聞かれた。
「キャンプはプレート板の前でステップする新フォームで臨み、オープン戦途中から上半身から始動するフォームに変更しました」(前出・ベテラン記者)
迷いや故障のせいで投球フォームを変えているのではない。ここ数年、菅野は「右足に力が伝わらない」とこぼしており、その原因がわからないというのだ。
二軍生活が長引きそうなら、投球フォームをゼロから作り直したほうがいい。もっとも、原監督が待ってくれればの話だが。
(飯山満/スポーツライター)