世界が注目!金正恩娘の「高級仏コート」と横に立つ「謎のモザイク男」の正体

 北朝鮮の国営メディアは時折、国民に見せたくない部分についてモザイク処理を施した上で放送する場合がある。ただ、このような処理が行われるのは通常、海外のスポーツ競技中継に欧米企業が映っていたり、すでに粛清された人物が映り込んでしまった場合などに限られるとされる。

 ところが、このたび朝鮮中央テレビが公開した写真にあった「モザイク処理」に関しては、さまざまな憶測が広がった。

「公開された写真は、19日朝に北朝鮮が行ったとする、弾道ミサイルの発射訓練でした。20日付けの労働新聞によれば、18、19日両日に『戦術核運用部隊の核反撃仮想総合戦術訓練を実施した』とあり、19日には日本海に向け短距離弾道ミサイルを発射したと説明していることから、この写真がこの時のものであることは間違いないようです。写真には金正恩氏と並んで娘のジュエ氏、その傍には軍の主要幹部と思われる4人が並んでいるのですが、なぜか、一番右に立つ軍服姿の人物だけが、マスクにサングラス姿で、さらにモザイク処理まで行われ、まったく顔が判別できないように加工してあるんです。韓国情報筋によれば、ここまで顔を隠すのは異例中の異例ということで、政府関係者の間でも、この男の正体を注視しているようです」(韓国在住ジャーナリスト)

 労働新聞は、今回の演習にはカン・スンナム国防相をはじめ、戦術核運用部隊を総指揮する連合部隊長や、ミサイル軍部隊長、党中央委員会の幹部のほか、ミサイル総局指揮官ら核兵器研究所関係者なども多数参観した、と伝えているが、

「そうなると、真っ先に考えられるのが、核やミサイル開発に関連する重要人物であるという可能性です。おぼろげではあるものの、写真に映った男の軍服の肩章は、軍団長級の指揮官に当たる中将階級に与えられるものですから、階級はおそらく中将以上。しかも、もしかすると、まだ韓国情報筋や欧米の情報機関には知られていない人物である可能性もある。人物が特定されれば、当然、欧米側の制裁対象になることもあるため、モザイク処理をしたのではと…。それでも核やミサイル開発にはなくてはならない戦術核運用部隊かミサイル総局の重要人物であるため、演習には立ち合わざるをえなかったとも推測されています」(前出・韓国在住ジャーナリスト)

 そんな謎が謎を呼ぶ人物が登場する一方、韓国メディアで注目されているのが、正恩氏とともに頻繁に登場する娘のジュエ氏が着用する「ファッション」だという。

「韓国・中央日報によれば、彼女が16日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射時に着ていた子供用コートは、フランスの高級ブランド製で、価格はおよそ1900ドル(約25万円)。周知のように北朝鮮では、食糧難が深刻化し、近年では都市部でも餓死者が続出しており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に提出された報告書によれば、現在北朝鮮では全人口の約42%が栄養失調に苦しんでいるといいます。そんな国内情勢を無視するかのように高級ブランドを身に着け、ふくよかな姿で笑顔を振りまくジュエ氏の姿に、北朝鮮の国民は何を思うのでしょうか…」(前出・韓国在住ジャーナリスト)

 娘のコート1着で何人の飢餓で苦しむ国民を救えるのか…。新たに登場した謎のモザイク男の存在とともに、北朝鮮の動向があらためて気になるのである。

(灯倫太郎)

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