巷では「見た者は幸せなる」などという都市伝説も囁かれる黄色い新幹線「ドクターイエロー」。線路や架線、信号設備などの状態を確認する点検用新幹線のため、運航スケジュールは時刻表には記載されていない。そのため、鉄道ファンの間ではレア度の高い車両として人気だったが、JR東海が3月22、23日に初めて乗車体験ツアーを開催。東京・新大阪からの乗車で、料金は大人1名2万3620円と決して安くなかったが、定員200名に対して100倍以上の応募が殺到した。
しかし、ドクターイエローのような珍しい新幹線はこれだけではない。白地に赤いラインが特徴のJR東日本の点検用新幹線「イーストアイ」、北海道新幹線札幌延伸に向けた車両開発試験車として運用中の「ALFA-X」もそれぞれ1編成のみで貴重な車両だ。
「この3つの新幹線のうち、お目にかかれる機会が一番高いのはドクターイエロー。JR東海とJR西日本が所有する2編成あり、運行頻度は月に3回程度。ちなみに新大阪駅にはどちらの編成も乗り入れるため、遭遇のチャンスは比較的高いです」(鉄道ライター)
一方、新幹線に限らず、在来線にも点検車や試験車は配備されている。しかし、新幹線より走行する路線数が多い(広範囲にわたる)ことから遭遇する確率はさらに低くなる。
「中でも激レアとされるのがJR九州に1両だけある軌道検査車両の『マヤ検』(マヤ34形検測車)です。すでに製造から45年が経ち、廃車も時間の問題と言われていることもレア度を高めています」(前出・鉄道ライター)
また、乗車可能な車両では、北海道で特急車両として使われている気動車「キハ183系」がある。
「国鉄時代の車両で、4月10日の『特急オホーツク』(札幌〜網走)がラストランになります。また、92年から団体列車などに使用されていた『ノースレインボーエクスプレス』も4月30日の網走発釧路行きのツアー列車で引退します。このように、数が少なかったり引退間近と噂される車両は首都圏にも結構ありますよ」(前出・鉄道ライター)
廃車や引退の運命にある貴重な車両。こうした激レア列車に遭遇した人は、やっぱり幸せになれるのかもしれない。
*画像はマヤ34形検測車(中央の青い車両)