帝国データバンクは2月27日、お好み焼きチェーン「いっきゅうさん」など複数の飲食ブランドを展開していたダイナミクスが破産開始決定を受けたことが報じられた。コロナ禍での飲食関連企業の倒産としては最大規模になるという。
同社は不動産賃貸やリサイクル店などを経営する京都の企業から飲食事業の一部を継承する形で、府内をはじめ関西地区を中心にお好み焼き店や焼き鳥店、ラーメン店などを展開。一時はフランチャイズを含め100店舗以上を出店し、2019年には77億円以上の売上高を記録していた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、22年は売上高が約15億円と大幅に減少するなど赤字経営が続き、債務超過の状態に。その後も借り入れやリストラなどで経営改善を目指したが、2月25日に事業を停止し、破産手続きを開始していた。負債額は約106億7800万円にのぼるという。
「ただ、ダイナミクスの倒産に対して、ネット上では《コロナとは別問題》《あのやり方では客が離れても当然》といった声も見られます。ダイナミクスを知らないという方も多いかもしれませんが、『鳥貴族』からロゴが似ているなどとして提訴された『鳥二郎』の運営元(旧・秀インターワン)と言えば、ご存知の方も多いかもしれません。ちなみに、鳥貴族との裁判は和解が成立し、創作鶏料理店に衣替えをしてひっそりと営業を続けていました。その裁判後は『丸源ラーメン』の運営会社から、ダイナミクスが運営する『にく次郎』の店舗外観やのぼり、メニューなどが酷似していると提訴されるなど運営に関しては色々と問題が指摘されることも多かったですからね」(経済ジャーナリスト)
コロナの感染拡大がダメ押しになったのかもしれない。
(小林洋三)