ウクライナより北方領土!? 杉村太蔵に道民からも苦言

 ロシアによるウクライナ侵攻から1年が過ぎた。2月25日に放送された「激論!コロシアム」(テレビ愛知)に出演した日本維新の会・鈴木宗男参院議員はロシアへの経済制裁について、「しない方がいい」「意味がない」と持論を展開。軍事評論家の井上和彦氏から経済制裁をやめたら北方領土は返ってくるのか尋ねられると、鈴木氏は「返ってきます!返ってきます!安倍(晋三元総理)のラインで行けば返ってきます」と断言して他の出演者を驚かせた。

 一夜明けた26日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)は、「ムネオ節に物申す!」と題してこの発言を取り上げた。

 北海道出身ということで話を振られた元衆院議員でタレントの杉村太蔵は「昨日の番組は見てないんで…」と前置きしながらも次のように述べた。

「同じ北海道の人間として、また、元北方領土の島民の方の話もいろいろ聞いてきた立場としては、実はこの鈴木議員のおっしゃってることは、気持ちとしてはわからなくはない。つまり元島民の方からすると、『本当にお墓参り行きたい』『あの海に自由に漁、行きたい』、今それが途絶えている、と。やっぱり北方領土問題、生活の一部、人生そのものだったりするんで、これをなんとかこう解決したいんだ。そのためにも政治生活40年やっておられる方なので、その立場からすると、北方領土問題をなんとか解決したいっていう思いは伝わってくる」

 これに映像プロデューサーでタレントのデーブ・スペクターは、「そうだけど、40年もやってて進まないじゃないですか。で、制裁やってるから返せないわけじゃないんですよ」と反論。さらに「ライフワークとして一点張りはわかるんですよ」と鈴木氏に理解を示しながらも「国会議員として、この立場でこれ言っちゃいけないと思うんですよ」と述べて、ロシアのウクライナ侵攻と北方領土問題はきっちり分けて考えるべきだと主張した。

 同じくコメンテーターの慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏も「ここは地元(北海道)ではなく、もっと大きなものを大切にしなければいけない」と鈴木氏の政治姿勢に疑問を呈していた。

「番組には『激論!コロシアム』で鈴木氏と共演したタレントの小原ブラスさんも登場。鈴木さんについて『話が通じないというか…』と感想を述べていましたが、ロシア出身の小原さんが堂々とプーチン批判をしているのに、鈴木議員や太蔵さんがロシア寄りの発言をすることに一部のネット民が《北方領土が返ってくるならウクライナ民は不幸になってもいいのか》などと猛反発。中でも《太蔵さんのせいで北海道民が誤解されそう》《人命を尊重すべき。道民として恥ずかしい》と、北海道民からの批判が相次いでいたのが印象的でした」(ネットライター)

 やはりウクライナ情勢と北方領土問題ははっきりと別の問題として議論すべきなのかもしれない。

ライフ